エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編 Vol.26
2012.07.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
CPUをデフォルトの状態で使用した場合でのテスト結果は、半ば“いとも簡単に冷却を行っている”ように感じた。そこで次にオーバークロック状態での挙動もチェックしておこう。
ここではGIGABYTEのオーバークロックユーティリティ「EasyTune6」を使い、プリセットで用意されている4.43GHz設定でテストを行ってみることにした。
まずはデフォルト状態での結果だが、高負荷時で67℃となり、定格動作から+9℃の上昇。「Silent mode adapter」(Max1,600rpm)使用時では+8.3℃の上昇に留まる。敢えて「留まる」としたのは、定格動作時のリテールクーラー比でもまだ-17.2℃のアドバンテージがあるからだ。
ちなみに用心深い筆者は、間違いがあってはいけないと、レギュレーションに設定している5回のテスト回数より多い、都合8回のテストを行っている事を付け加えておこう。
さらに「TPC 812」のポテンシャルを引き出してみる。このモデルは同梱のファンブラケットにより、120mm口径ファンを増設搭載し、エアフローを強化する事ができる。サイドフロー型CPUクーラーではよくあるギミックだが、「TPC 812」でその効果はどの程度あるのだろうか。
なおデュアルファン状態でのテストは、標準ファン回転数の定格時とオーバークロック時の2パターンのみ計測を行っている。
定格動作では、高負荷時57.1℃という結果。標準比で-0.9℃と小幅ながら温度は低下している。逆にアイドル時は30.2℃に対し、31.5℃となり+1.3℃だった。この事から、いずれも誤差の範囲程度であり、エアフロー強化による変化はあまり出ていない。オーバークロック時でも同じような傾向が現れるのだろうか。
定格から4.43GHzにオーバークロックした場合の高負荷時は65.7℃。標準比で-1.3℃だった。さらにアイドル時では32.3℃で、標準比-4.5℃となり、ようやく大きな差が現れた。デュアルファンの定格時同様、ある程度の誤差は考慮する必要がありつつも、よりCPUコア温度が高いオーバークロック状態になると、徐々にエアフロー強化の効果が数値に出る事が分かった。