エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.167
2012.08.28 更新
文:GDM編集部 Tawashi/池西 樹/絵踏 一
GeForce GT 640搭載グラフィックスカード 「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」 (型番:WFGT640-2GD3ATX4) 実勢価格10,800円前後 製品情報(Leadtek Research Inc.)/製品情報(株式会社アスク) |
自作PCの世界でも、最新ゲームをするためにグラフィックスカードへ数万円も投資するというユーザーは決して多数派でないことは確か。ミドルレンジからハイエンドモデルの製品を選択するユーザーを除けば、多くはCPU内蔵グラフィックス、もしくは安価なエントリー向けGPUを搭載したカードを選んでいるのではないだろうか。とはいえ、旧世代の製品を積極的に選ぶかと言えば、そう単純に割り切れるものではない。 そんな時にオススメなのは、今回取り上げる1万円前後で購入できる「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードだ。Keplerアーキテクチャを採用する同GPUは、やはりエントリー向けという位置づけでNVIDIAが用意したFermiアーキテクチャ採用の3モデル「GeForce GT 610/620/630」とは明かにその出自を異にする。現時点でリネームモデルを除いた“最新”のGeForceシリーズで、一番安価なモデルとなるのが「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードとなるわけだ。 さらにスポットを当てたいのが、このカードを使った多画面出力。3画面はもちろん、出力インターフェイスの構成次第では4画面出力も叶うマルチぶりだ。これまで編集部でも試す機会がなかったため、今回はこの点もじっくり検証してみたい。
これといったクセのない作りの「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」。カード長は150mm以下と非常にコンパクト。2Slotデザインという点にさえ配慮すれば、補助電源も不要で小型のケース等での利用にも最適なモデルといえる |
さて、今回の主役となる「LEADTEK GT640 ATX 2048MB 4DISPLAY LR2737」(以下:「WinFast GT640 2GB」)。まずは本体カードを確認しておくことにしよう。 「GeForce GT 640」搭載グラフィックスカードとしてはNVIDIAのリファレンススペックに沿った仕様で、コアクロック900MHz、メモリクロック1,800MHzというもの。組み合わせられるグラフィックメモリも「GeForce GT 640」のスペックによりDDR3に制限されることから、2GBのDDR3メモリとなっている。 また搭載されるVGAクーラーは2Slot占有タイプで、73.91mm口径のファンと放熱性に優れたアルミニウムベースで構成される一般的なデザイン。PCI-Express補助電源はなく、最大消費電力もわずか65W、推奨搭載電源も350Wと非常にエコな作りとなっている点もユーザーにとっては嬉しいところだ。ちなみに、「GeForce GTX 660Ti」以上のモデルで採用される自動クロックアップ機能である「GPU Boost」は非サポートとなる。 また、同製品のポイントである出力インターフェイスは、DualLink DVI-I×1、HDMI×1、DisplayPort×1、D-Sub×1という構成。グラフィックスカード1枚で4画面出力をサポートし、NVIDIAが推進するマルチディスプレイ3D表示技術「3D Vision Surround」にも対応する。予算を抑えつつ手軽に3画面出力をトライしたいなら、まさにうってつけの製品だ。