エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.183
2012.10.25 更新
文:GDM編集部 池西 樹
オーバークロック動作の確認ができたところで、続いて「CINEBENCH R11.5」「3DMark 11 Version1.0.3」「3DMark Vantage1.1.0」の3種類のベンチマークソフトを使って「Trinity」のパフォーマンスについてチェックしていくことにしよう。またメモリクロックによるパフォーマンスの違いをチェックするため、定格では標準メモリクロック1,333MHzとXMP設定1,866MHzの2つの条件で測定を行なっている。
まずはいつも通り「CINEBENCH R11.5」を使って「Trinity」のCPUコアパフォーマンスを確認していこう。
CINEBENCH R11.5によるベンチマーク結果 |
定格時の結果を確認するとメモリクロックによる性能差はみられず、CPU性能が重要な「CINEBENCH R11.5」では影響がないことがわかる。また「Trinity」では、定格時でもTurbo Coreによるオーバークロック機能が働くことからOC Genie IIでは、シングルコア約2%、マルチコア約5%と微増にとどまる結果となった。
一方4.60GHz動作時では、シングルコア約16%、マルチコア約18%と大幅に向上しており、「Trinity」でCPUパフォーマンスを向上させたいなら、手動設定で大胆にオーバークロックする必要があることがわかる。
続いて「Trinity」期待のグラフィックス性能を確認したいこう。まずはDirectX 11世代の定番ベンチマークソフト「3DMark11 Version 1.0.3」を使用したパフォーマンスチェックから。今回はオンボードグラフィックスということで、計測環境は「Entry」と「Performance」2つのプリセット設定をチョイスした。
3DMark 11 Version1.0.3 Entry |
3DMark 11 Version1.0.3 Performance |
「CINEBENCH R11.5」ではあまり効果のなかったメモリクロックだが、「3DMark 11 Version1.0.3」では「Entry」「Performance」とも約15%と大幅にスコアが上昇。GPUコアがオーバークロックされている「OC Genie II」の結果も上回り、グラフィックス性能ではメモリクロックが大きなウェイトを占める。
また手動オーバークロックでは、定格1333MHzから約24%、定格1866MHzから約8%と順当にパフォーマンスを伸ばしており、グラフィックス性能の伸びしろはかなり大きいことがわかる。
次にDirectX 10世代のパフォーマンスをチェックすべく、「3DMark Vantage1.1.0」でもスコアを測定した。プリセットは同様に「Entry」と「Performance」」の2つのプリセット設定を使用して計測している。
3DMark Vantage Version1.1.0 Entry |
3DMark Vantage Version1.1.0 Performance |
まずメモリクロックの違いを確認すると「Entry」では総合スコア約10%、GPUスコア約16%、「Performance」では総合スコア約19%、GPUスコア約22%と解像度が上がるに連れ影響も大きくなる。
また手動オーバークロックでは、「Entry」で総合スコア約20%、GPUスコア約24%、「Performance」で総合スコア約28%、GPUスコア約30%と大幅にスコアを伸ばしており、GPUコアとメモリクロック向上の相乗効果には目を見張るものがある。「Trinity」でグラフィックス性能の不足を感じるなら、グラフィックスカードを増設する前に高クロックメモリの採用やGPUコアのオーバークロックを試してみるといいだろう。