エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.183
2012.10.25 更新
文:GDM編集部 池西 樹
最後にオーバークロックによって、どの程度消費電力が増加するのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時はそれぞれのベンチマーク実行時で最も高い値とした。
アイドル時とベンチマーク実行時の消費電力 |
まずアイドル時の消費電力だが、定格ではいずれも40W前半と低く抑えられており一般ユーザーやライトゲーマーには嬉しい仕様といえる。ただしオーバークロック時は「OC Genie II」、手動設定とも省電力機能が無効になるため消費電力は増加傾向だ。安定したオーバークロック設定を見つけたら、省電力機能は必ず有効にしておきたい。
またオーバークロック時の消費電力は「OC Genie II」では3D Mark系のベンチマークで約20W増加。手動設定ではいずれのベンチマークでも約30Wとパフォーマンスアップとのトレードオフであれば十分納得できる範囲に収まっている。いずれにせよ200Wを超えることはなく、「Trinity」プラットフォームが電源ユニットには優しいシステムであることがわかる。またオーバークロックに抵抗があるなら、高クロックメモリの採用をおすすめしたい。電力増加がほとんどないにも関わらず、GPUスコアは大幅に向上しておりかなりワットパフォーマンスに優れる環境と言えるだろう。
今回はSocket FM2対応マザーボード「FM2-A85XA-G65」にスポットを当てて検証を行なってきた。MSIのハイエンドマザーボードということで、個人的には「ミリタリークラスIIIスター5」に準拠し、「Dr.MOS II」に対応して欲しかったというのが正直な感想だ。ただし、Socket FM2がコストパフォーマンスを重視したプラットフォームでAPU自体が安価なことから、コストとのバランスを考慮した上での選択ということで致し方ないだろう。
実際のテストでも大型のヒートシンクやデジタル制御の電源回路により発熱や安定性に不安はなく、倍率変更だけでCPUコアは46倍、GPUコアも2段階のオーバークロックを可能とするなど、オーバークロック耐性もしっかりと確保されていた。
またメモリ周りではIntel XMPへの対応も見逃せない。これまでAMDプラットフォームでは高クロックメモリの対応が弱かったが、「FM2-A85XA-G65」では難しい設定を施すことなくIntel向け高クロックメモリを利用することができる。特にGPU性能はメモリクロックが大きく影響するこ