エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.184
2012.10.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
高冷却を最大の特徴とする「HAF」シリーズ。新作「HAF XM」も例に漏れず、その名に恥じぬエアフロー設計は大きなアピールポイントとなっている。ここでは「HAF XM」の冷却機構を総チェックしてみたい。
フロント吸気部はスケルトン仕様の200mm口径ファンを標準で装備。ブラックの塗装にマッチしたRED LEDが内蔵され、アグレッシブなゲーミングPCケースの顔を持つ一方、トップ部にあるスイッチにより、LED消灯もチョイスできる。
この200mm口径吸気ファンは、フレッシュな外気を取り入れる重要な役割を果たし、PCケース内部だけでなく直下に位置するHDD(SSD)に直接風を当て、発熱を抑えることで製品寿命の延長と安定動作を実現しようというワケだ。
RED LED内蔵の200mm口径スケルトンファン。なおこの箇所には、140mm口径ファン×1基または120mm口径ファン×2基に換装可能 |
200mm口径ファンは4個のテーパーネジで固定。取り外して型番を確認すると「A20030-07CB-3MN-F1」で、コネクタは3pinタイプで、4pinペリフェラル変換コネクタが接続されている |
「HAF」シリーズらしさが最も表れているのが、トップ排気200mm口径ファン×2基の存在だろう。トップパネル面積の大部分を占める排気ファンは、隣接するCPUソケットや電源周り、さらにはメモリ周辺といった部分から発せられる、厄介な熱を一気に外へ放出してくれる。さらにこのファン搭載スペースは120mmまたは140mm口径ファン用のネジ穴も装備され、大型ラジエターの搭載にも対応する。
ブラックフレーム&インペラの200mm口径冷却ファンは、大迫力の2基標準搭載。大型インペラにより低速回転で大風量を生みだし、不要な熱を静かに放出してくれる |
フロント部の200mm口径ファンと違い、LED無しのブラックラウンドファンを採用。面積の広い9枚羽仕様で、型番はフロント200mm口径ファン同様「A20030-07CB-3MN-F1」だった。なおコネクタはフロント吸気ファン同様3pinで、こちらにも4pinペリフェラル変換コネクタが接続されていた |
リア部に搭載されるのは、140mm口径ファン×1基。現在の主流、サイドフロー型CPUクーラーと並列レイアウトになるため、CPUクーラーの排熱効率のアシストも重要な役割となっている。ちなみに羽枚数は7枚で、リブ無しフレームが採用されていた。
リア排気ファンは140mm口径。ちなみに120mmファンタイプの水冷ラジエターの固定を想定し、120mm口径ファン用のネジ穴も標準で装備されている。今年のCOMPUTEX TAIPEIで展示されていたCooler Master製オールインワン水冷キットのリリースが待たれる |
搭載ファンは140×140×25mm「A14025-12CB-3BN-F1」。これは「COSMOS II」のリア冷却ファンと同じものが採用されていた。よってスペックは1,200rpm/19dBAとなる |
「HAF XM」に標準搭載されている冷却ファンの数は全部で4基。200mm口径×3基、140mm口径×1基と、ハイエアフローを謳うだけあって、良好なエアフローが確保されていることは想像に難くない。これだけでも十分な気もするが、さらにオプションでエアフローを強化する事ができる。ここでは増設可能な冷却ファンスペースを個別に紹介しておこう。
4箇所のプッシュピンで固定された防塵フィルタ。フィルタとは言え、網のように目が詰まったものではない。サイドパネルのメッシュと防塵フィルタのメッシュを重ね合わせる事で、通気孔の穴が小さくなり、ホコリの侵入を防ぐ。細かい塵などには不向きだが、ある程度の役割は果たしてくれるだろう |
シャドウベイ部にも120mm口径ファン×2基の増設スペースを用意。搭載したHDDの熱をかき出し、さらに拡張スロット部にも風を当てる事ができる |