絵踏一のKeyboard 一点突破 Vol.1
2012.11.08 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
まず「1390131」を俯瞰して驚くのがその大きさ、そして手にとってさらに驚くのがその重さだ。実測による外形寸法は約W490×210×43~55mmで、重量にいたっては約2.27kg(ケーブル含まず)。なんと下手なノートPCより重量級なキーボードなのだ。内部に鋼板が仕込まれているのが主な原因だが、そのせいで剛性の高さは極めて高い。海外では冗談めかして“防弾キーボード”などと呼ばれることもあると聞くが、その理由も分かろうというものだ。
また、本機の贅沢さは筐体だけに留まらない。巨大なモジュラージャックで合体する脱着式のケーブルもまた見事なもので、正直キーボードには不釣り合いなほど。伸縮自在なカールコードを採用する点も今では珍しい。ちなみに接続端子は今はなきATプラグ。ただしPS/2端子とは互換性があるため、巷でも数百円で販売されている変換アダプタを使用すれば現行PCでも問題なく使用できる。
重厚長大、質実剛健といった雰囲気の「1390131」。アイボリーカラーをベースにグレーを織り交ぜた、機能美あふれる外観が魅力だ |
外形寸法は約W490×210×43~55mm、重量は約2.27kgとキーボードの中では間違いなくヘビー級の存在。スイッチがマウントされている分厚い鋼板が重さの原因だ |
「1390131」の背面を見る。フレームは上部4箇所のネジを外せば開梱できる仕組み。角度調節用のチルトスタンドも搭載されている |
「1390131」の背面に貼られていたラベル。“Model-M”の印刷も確認できる。この個体は1987年5月15日に製造されたもののようだ | 「A」のとなりに「Caps Lock」キー、スペースキーの両脇に「Alt」と「Ctrl」キーを2つずつ配置する。このレイアウトもModel-Mから採用されたものだ |
長めのスペースバーは英語キーボードの利点のひとつ。内部にはスタビライザー(安定用金具)が装着され、バーのどの部分を押しても垂直に押下される | 「PC/AT」初期のキーボードから「Enter」キーも形状を変更。大型タイプから現在おなじみの横長のバーに変更された。「Back Space」も1キーサイズから横長タイプに変わっている |
2kgオーバーの巨体を支える堅牢なチルトスタンド。その重量も相まって、入力中にキーボードがずれることはまずない |
チルトスタンドの反対側に装着された滑り止めのゴム足。ヴィンテージ物の中には、こうした細かいパーツが欠損しているものもある | 背面にあるスピーカー用の穴。「1390131」のものは単なるダミーだが、派生モデルの中には入力音を発生させるスピーカーが実装されたモデルも存在する |
フレームを固定しているネジ。5.5mm径のボックスドライバーを使用する。ドライバーは模型店などで安価に購入できる |
ケーブルは利便性を考慮してか着脱式を採用。これまた堅牢な仕様で、コネクタは脱落防止用のロック機構(つまみ)付だ |
ケーブルは太く立派なカールコード。これ以降のモデルに添付されるケーブルは灰色で、やや細め(それでも十分太い)のものに変更されている | AT接続のため、もちろんそのままでは現行機では使用不可。AT-PS/2プラグを使用してPS/2接続で使用するか、さらにそこからUSBに変換して使用することに。変換には相性が付き物なのが悩みの種か |