エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.190
2012.11.14 更新
文:GDM編集部 池西 樹
そもそもアクセス速度に定評がある「Vertex 3」ベースの「Vertex 3 Low Profile」では、当然パフォーマンスにも期待がかかる。ということで、続いてベンチマークソフトを使って120GBモデル「VTX3LP-25SAT3-120G」の気になる性能を確認していこう。
使用するベンチマークは「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」、「CrystalDiskMark 3.0.2a」、「HD Tune Pro 4.60」、「ATTO Disk Benchmark 2.47」の4種類。ちなみに今回から「CrystalDiskMark」は最新バージョンの「3.0.2a」とアップデートしているが、変更点はWindows 8やServer 2012への対応が中心。ベンチマーク部分は3.0.1と完全互換ということでテスト結果に大きな影響はないだろう。
またベンチマークはこれまでと同様OS、ドライバ、ベンチマークソフトのみをインストールしたシステム用のHDDを用意し、SSDにはデータを入れない状態で行った。なお余分な負荷をかけないために、ベンチマークテスト中はネットワークケーブルを抜いて測定を行っている。テスト環境は以下の通り。
それでは「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」のCompression Benchmarkを使って、データ圧縮率による性能の違いをチェックしていこう。
AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508のCompression Benchmark |
「Vertex 3 Low Profile」は、コントローラに「SF-2218」を搭載しているため、当然圧縮率の影響はあるが、読込は最低でも300MB/sec前後と比較的落ち込みが少ないのが特徴だ。さらに圧縮率が20%以降は急速に転送速度が回復しており、画像ファイルやサウンドファイルなど一部の圧縮済みファイルを抜かせば十分高速アクセスが期待できる。一方、書込は100MB/secを割り込む場面も見られるなど、パフォーマンスの落ち込みが大きく振るわない結果となった。
続いて「CrystalDiskMark3.0.2a」を使ってテストサイズやデータ圧縮率による違いを詳細にチェックしていこう。今回はテストデータに、「デフォルト (ランダム)」、「All 0x00 (0Fill)」、「All 0xFF (1Fill)」の3パターンを使い、テスト回数はデフォルトの5回を選択。テストサイズは50MB/100MB/500MB/1000MB/2000MB/4000MBの6パターンで測定を行なっている。
【50MB】 | 【100MB】 |
【500MB】 | 【1000MB】 |
【2000MB】 | 【4000MB】 |
【50MB】 | 【100MB】 |
【500MB】 | 【1000MB】 |
【2000MB】 | 【4000MB】 |
【50MB】 | 【100MB】 |
【500MB】 | 【1000MB】 |
【2000MB】 | 【4000MB】 |
データサイズ50MB時の4Kスコア(IOPS) |
データサイズ50MB時の4K QD32スコア(IOPS) |
シーケンシャル読込は「ランダム」でも最高500MB/secを超えており、読込作業が中心の場合は圧縮率の影響を考える必要はないだろう。一方、書込は「0fill」や「1Fill」では500MB/sec弱なのに対して、「ランダム」では最高180MB/sec前後とかなり影響が大きいことがわかる。ただし、120GBモデルの中では十分健闘しており、HDDからの換装を目的とするならば十分アドバンテージがある。
次にランダムアクセスを確認すると、4Kでは圧縮率に関係なく読込36MB/sec、書込100MB/secといずれも非常に高速だ。またNCQ(Native Command Queuing)が効く4K QD32では読込最大220MB/sec、書込最大350MB/secを計測。IOPS換算で読込57,000 IOPS、書込85,000 IOPSとなり、公称IOPSはかなり控えめに設定されていることがわかる。