エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.192
2012.11.23 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
優れたコンポーネントに身を固め、まさに高負荷なオーバークロック稼働を前提に作られたと言っても過言ではない「R7970 Lightning BE」。この後に続くベンチマークテストにあたり、やはりある程度のオーバークロックは必須だろうということで、早速に追加のチューニングにチャレンジしてみたい。
そこでMSIおなじみのオーバークロックツール「Afterburner 2.2.5」を使用し、あくまでファン回転数を標準の「AUTO」にセットした状態での無理のないスペックアップを狙ってみた。なお、オーバークロックに際しては基板上に実装されたBIOS切り替えスイッチを使用し、よりオーバークロック耐性に優れた「LN2 BIOS」へと切り替えている。
「Afterburner 2.2.5」で「Lightning BE」のオーバークロックを試す。ファン回転数にノータッチでも、コアクロック1,240MHz、メモリクロック6,800MHzとなかなかの結果に |
まず手始めに「Power limit」を最大値の+20%にセット。そこからコアクロックとメモリクロックを順番に引き上げてみたところ、コアクロックがリファレンス比18%アップとなる1,240MHz(+190MHz)、メモリクロックも13%増となる6,800MHz(+800MHz/実クロック1,700MHz)までクロックアップすることができた。ベンチマーク中のファン動作音もそれほどには気にならず、十分実用の範囲内という印象。出荷時のブーストクロックと比較しても8%増(メモリクロックは同様に13%増)と違いは大きく、スペックアップはしっかりと実感できそうだ。個体差もあるとは思われるが、体感できるレベルでカスタムの余裕をもっていることには素直に感心。モデルチェンジしても「R7970 Lightning BE」のオーバークロック耐性は健在だ。
もっとも、あまりに過激なオーバークロックはカードの寿命を縮める場合もあるため、常用を考えるなら味付け程度に収めておいた方がいいかもしれない。
「GPU-Z 0.6.6」で“OCバージョン”の挙動を観察。コアクロックは1,050MHzから最大1,240MHzまで向上するのだが、高負荷時はほとんど上限クロックに貼り付くため、「ベースクロック」を意識することはあまりない |
さて、ここからは先程のオーバークロック仕様を含め、各モデルをベンチマークテストで比較していく。「R7970 Lightning BE」と“OCバージョン”に加え、「Afterburner 2.2.5」を使用してリファレンスクロックに調整した状態も合わせて計測。3パターンのクロックモデルを並べて検証してみることにした。なお、テストに使用した環境は以下の表を参照していただきたい。
オーバークロックと同様に「Afterburner 2.2.5」を使用し、動作クロックをリファレンススペックに調整。数値は上限となるブーストクロックの値を指定する |
フルロード時はコアクロック1,050MHz、メモリクロック6,000MHz(実クロック1,500MHz)で動作する。一方でアイドル時はコア300MHz、メモリ150MHzまで低下していた |