エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.204
2013.01.26 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
Mini-ITXながら充実の機能を搭載する「A75ITX-B-E」、ここからは実際の動作テストでパフォーマンス面をチェックしていこう。今回のテストにあたっては、APUにフラッグシップモデルの「A10-5800K」を用意し、最高のTrinity環境で検証を行なっていく。
また、オンボードVGAの中では屈指のグラフィックス性能をもつTrinityだけに、テスト項目のメインをゲームパフォーマンスに設定。コンパクトPCとして現行のゲームシーンにどこまで太刀打ちできるかをみてみよう。
現行APUのフラッグシップモデル「A10-5800K」を「CPU-Z 1.62」と「GPU-Z 0.6.6」でチェック。GPUはRadeon HD 7660Dを内蔵している |
内蔵GPUは、高負荷時においてコアクロック800MHz、メモリクロック667MHzで動作している。一方アイドル時にはコアクロック304GHz、メモリクロック667MHzまで低下、省電力機能が働いていることが確認できる |
それではまず定番の3Dベンチマークソフト3DMarkシリーズより、DirectX 11世代の「3DMark 11 Version1.0.3」と、DirectX 10世代の「3DMark Vantage1.1.0」を使用したパフォーマンスチェックから。オンボードグラフィックスのテストということで、計測環境に「Entry」と「Performance」2つのプリセット設定を選択している。
3DMark 11 Version1.0.3 |
3DMark Vantage1.1.0 |
いずれも「Performance」ではデモシーンもかなり重く、オンボードグラフィックスとしての限界を感じるテストだった。一方で負荷の軽い「Entry」では動作が改善し、まずまずのスコアに。3Dゲームを快適に遊ぶ場合は環境に合わせた設定の妥協も鍵になるということを再確認した結果だが、Trinity自慢のオーバークロック性能次第では多少状況が変わるかもしれない。特に今回使用したA10-5800Kのような倍率ロックフリーのモデルの場合は期待感も大きく、グラフィックスカード増設を試す前にGPUコアの伸びしろをチェックしてみるのも悪くなさそうだ。
次はDirectX 11に対応する3Dベンチマークソフト「Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0」を使用し、テッセレーションを駆使した最新の3Dシーンにおける挙動をチェックする。品質設定は「Tessellation」を“Normal”、「Shaders」を“Medium”、「Anisotropy」を“4×”、「Anti-aliasing」を“off”と多少緩めにセット。解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択して計測を行った。
Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0 |
高解像度設定時は動作はかなり“もっさり”していたが、1,280×720ドットに解像度を落とせば多少楽になるのは3DMark系ベンチマークと同様。とはいえAverage FPSでも快適さの指標となる30fpsには届いていないため、オンボードグラフィックスで高パフォーマンスの3Dゲームをプレイする際は設定を控えめにした方がいいだろう。