エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.210
2013.02.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外観のチェックが終わったところで、いよいよPCケースの心臓部となる内部構造にメスを入れていく。PCケース選びに重要なのは、ストレージ搭載能力や冷却構造、拡張カード搭載スペースなどが挙げられる。内部構成パーツと違い、PCケースは比較的長く付き合うことになるだけに、外観デザインだけでなく、内部構造はしっかりと確認しておきたい。
内部までブラックに塗装された「MS800 Plus」。今やオールブラック塗装は特別な存在ではなくなった |
「MS800 Plus」はフロントパネル全面メッシュ仕様の、”オールドライブベイモデル”だ。5.25インチにこれでもかとドライブベイアクセサリーを満載させる時代は終わったが、光学ドライブ等は使い勝手のいい場所に搭載できるという利点がある。
光学ドライブ等を搭載する5.25インチオープンベイは全部で6段。ツールフリー機構を数えると7段分が用意されているが、プラス1段は3.5インチ変換マウンターが搭載された排他仕様になっている |
ツールフリーのロック機構。ダイヤルを右に回すとリリース、左に回すとロックされる仕組み。ネジ穴も用意されているため、ロック機構だけでは不安という場合にはこれを活用すればいい | メッシュ仕様のベゼルはフロント着脱式。フロントパネルには両側面にあるツマミで固定されており、わざわざパネルを外す必要がない。なお3.5インチ排他ベイ用のベゼルは1段分が用意され、3.5インチサイズのベゼルも簡単に着脱できる |
ドライブを搭載してみた。左側はツールフリーのロック機構だが、右側は2点ネジ留式。ロック機構だけでも問題ないが、念のため固定したいという人は少なくないだろう |
「MS800 Plus」最大のアピールポイントと言えるのが、2.5/3.5インチホットスワップベイの存在だ。全5.25インチオープンベイに見えるフロントベゼルの最下段を見ると、幅の広い3段分のベゼルがある。これを取り外すことで、ホットスワップベイが姿を現す。この部分には、2.5/3.5インチ両用の専用トレイが3台分格納されており、PC起動中でも手軽にフロントアクセスができるというワケだ。
フレキシブルタイプの2.5/3.5インチ専用トレイ。両サイドには防振シリコンが装着されたピンが4つあり、3.5インチHDDをツールフリーでマウント可能。2.5インチSSD等は底面のネジ穴を使い、付属の「B Bolt」でネジ留めする。なお2.5インチSSDを搭載する場合、隣接するピンが物理的干渉を起こすため、取り外す必要がある |
ちなみにホットスワップ対応の2.5/3.5インチシャドウベイは、一見ボックスタイプのHDDケージに見えるが、実は違う。このユニットは、ドライブベイを構成するパネル部に片側6個のネジで固定されており、それらを外すとプラスチック製の両側面板、ホットスワップ基板と冷却ファン、そして3台分の専用トレイがそれぞれバラバラになるのだ。どうやらユニットを中段等に移動して使用するといった事は想定されていないらしい。
よくあるHDDケージだと思いきや、実際には側面パネルと基板ユニット部はツメで引っ掛かっているだけの構造物。片側6個のネジで固定されており、一度バラバラにすると元に戻しにくい。そもそも取り外しは想定されていないため、不用意に分解することは極力避けた方がよさそうだ |
ドライブベイ最後にチェックするのは、デフォルトで上から2段目に搭載されている2.5/3.5インチ兼用マウンターだ。左側はツールフリーのロック機構、右側はネジで固定された鉄製のマウンターには、通常着脱の必要がないシステムデータが書き込まれたSSDやHDD用に使用する。
黒塗装された鉄製の2.5/3.5インチ兼用マウンター。3.5インチHDDは両側面インチネジ固定、2.5インチSSDは底面ミリネジ固定で使用する |