エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.213
2013.02.28 更新
文:GDM編集部 池西 樹
【Benchmark Read】 |
【Random Access Read】 |
【Benchmark Read】 |
単体時は不安定な挙動を示したBenchmark Readだが、RAID 0ドライブでは冒頭を抜かせば安定したグラフ。転送速度も1,000MB/secを上回り、安定性、パフォーマンスとも大幅に向上している。また、File BenchmarkもRead/Writとも単体時から大きくスコアを伸ばし、「GX60」ではRAID環境により最適化されている印象を受ける。
ATTO Disk BenchMark 2.47スコア |
「ATTO Disk Benchmark 2.47」の結果は、読込最高994MB/sec、書込最高650MB/secを計測。特に読込性能は1,000MB/secに迫る勢いで「GX60」と「M5M」シリーズを組み合わせてやれば、ノートPCでもデスクトップPCと同等のストレージ性能を実現できることがわかる。
ひと通りのベンチマークテストが終わったところで、Windows 8エクスペリエンスインデックスの「プライマリ ハードディスク」の評価を確認してみよう。
Windows 8エクスペリエンスインデックス「プライマリ ハードディスク」 |
「PX-256M5M」は、単体時でも書込性能に伸び悩む標準RAID 0ドライブを0.4ポイント上回る好スコアを計測。RAID 0ドライブでは、さらに0.3ポイントスコアを伸ばしており、「M5M」シリーズならHDDだけでなく、SSDからの換装でもパフォーマンス向上が期待できる。
続いて「M5M」シリーズの特徴である超低電力スリープモード「DEVSLP」の効果を確認するため、アイドル時の消費電力をチェックしてみることにした。電源プランは「バランス」、ディスプレイ電源とスリープへの移行時間はいずれも“なし”を選択し、1時間放置した中で最も低い数値を取得している。
アイドル時の消費電力 |
テストに使用しているワットチェッカーが0.1W単位までということもあり、単体時とRAID 0ドライブでは消費電力に違いは見られなかった。より詳細なワットチェッカーを使えば違いが出る可能性はあるが、アイドル時はほとんど電力を消費しないことがわかる。また、標準RAID 0ドライブとの差は1.1Wで、今回のようなパワフルなノートPCならともかく、UltrabookやモバイルノートPCでは、バッテリー駆動時間に影響があるだろう。
「GX60」のようなハイエンド製品を抜かせば、ノートPCに搭載できるストレージは1台に制限されることが多い。そのため、長期間使用するうちに保存データが増え、容量が逼迫してくることもしばしば。そこで、最後に「M5M」シリーズのデータ書き込み量によるパフォーマンスの変化をチェックしておこう。テスト方法は、任意に選択したデータを書き込み、使用率30%、50%、70%、90%にした状態で「CrystalDiskMark 3.0.2e」のスコアを測定した。
使用率30% | 使用率50% |
使用率70% | 使用率90% |
使用率30% | 使用率50% |
使用率70% | 使用率90% |
単体時、RAID 0ドライブとも書き込み量に関係なく一定のパフォーマンスを維持している。データ量が増えると低下しやすいランダムアクセスにも変化は見られず、長期使用時でも性能低下を心配する必要はないだろう。
今回は「M5M」シリーズとMSI「GX60」使いRAID 0ドライブのパフォーマンスを中心に検証を行なってきた。結果を見れば「HD Tune Pro 4.60」では1,000MB/secオーバー、「ATTO Disk Benchmark 2.47」でもそれに迫る性能を発揮しており、その効果は抜群だ。「GX60」のmSATAスロットは、変換基板を採用するやや変則的な構成にも関わらず、高い性能を発揮できるのはPLEXTORの「品質」や「安定性」を重視する製品設計の賜物と言えるだろう。
この変換基板方式は、既存の2.5インチベイが流用できることから、ノートPCの高速化を実現する方法としては面白い。今後普及してくれば、さらに「M5M」シリーズの活躍の場は広がっていくことだろう。
変換基板を使用した変則環境でも「M5M」シリーズなら高いパフォーマンスを実現。ノートPCでも1,000MB/secオーバーを狙うことができる |
また、アイドル時の消費電力の低さやデータ量に関係なく安定したパフォーマンスなど、ノートPC向けストレージに重要なツボはしっかりと抑えられている。mSATAスロットを搭載したノートPCにとって、「M5M」シリーズは最適なSSDと言っていいだろう。