エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.215
2013.03.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次にトップパネルを外し、天板部にメスを入れる。プラスチック製のトップパネルは、フロントパネルを外すとあらわになる2本のネジと、リア部にある2本のネジで固定。さらに用心深く、フロントパネル同様、6つのピンでも固定されている。着脱方法はマニュアルの図説にあるものの、筆者のような横着者は、事前にじっくりとマニュアルに目を通さない(いや、通すべきだ)。実際に初めてトップパネルを外す際、リア部のネジだけを外し、あれこれやってみたワケだが、なるほどフロントパネル裏にもネジが隠されている事に気が付くまで、少々回り道をした。時間のロスだけならまだしも、プラスチックだけに最悪破損させてしまう事がある。やはりマニュアルの事前チェックは重要だ。
自らのずぼら加減を棚に上げると、トップパネルにネジは不要ではないかと思う。トップパネル部だけをもって持ち上げられるようなデザインではないため、フロントパネル同様、ピン固定だけで十分なはず。この手のPCケースに、たまに出くわすが、もう少しどうにかならないものか |
通気スリットが大部分を占めるトップパネル。通気口部分には防塵フィルタが装着されていた |
冒頭でも触れたように、着脱が少々面倒なプラスチック製のトップパネルを外すと、そこには「Fulmo ST」最大の魅力ともいえる240mmサイズラジエター搭載スペースがあらわになる。
同価格帯のPCケースは種類が豊富で、現在発売されているモデルの多くは、価格帯以上によく出来ている。またそのほとんどが、電源ユニットボトムレイアウトを採用。トップパネル部分に冷却ファン搭載スペースが用意されているが、高さ不足から実際に240mmサイズのラジエターが取り付けられる製品は少ない。当初はCPUクーラー真上に位置する好都合なトップ排気ファンの役割を果たすだけで事足りたが、オールインワン水冷ユニットの台頭から、25mm厚の冷却ファンが取り付けられるだけでは飽き足らなくなってしまった。「Fulmo ST」は設計段階から240mmラジエターの搭載が想定されており、ENERMAX「ELC240」をはじめ、CORSAIR「CWCH100」および「H100i」には最適なPCケースと言えるだろう。
両サイド逆L字型の折り返し部分には、120/140mm口径ファンが2基搭載できるネジ穴を用意。いかにも240mmサイズラジエター搭載を見越しての設計であることが分かる |
先日行った検証で好成績を収めたENERMAX「ELC240」。売れ行き好調と聞く |
ENERMAX「ELC240」をマウントすると、まさにジャストフィット。大きい声では言えないが、もちろん他社製品をチョイスしてもOK |
ラジエター搭載スペースは実測約28mm。ちなみに搭載テストに用いた「ELC240」のラジエター厚は公称値32mm。CORSAIRの「H100i」と「CWCH100」が27mmだ |