エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.220
2013.03.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に「G-Master Hydro-GK」を構成する各パーツの特徴を解説しよう。
Fractal Designの「Define R4」を語る上で外せないキーワードといえば、いわゆる”窒息系”と言われるその密閉性に尽きるだろう。通気口等が一切なく、吸音シートが貼り付けられたフロントドア、両サイドパネル内側にも乗用車の遮音材としても使用されるビチューメン素材の防音シートを装着。さらに左サイドパネルの冷却ファン増設用の穴には吸音材が装着された目隠しフタまで装備され、徹底した静音仕様に仕上げられている。一方でフロント140mm×1基(標準/120mmまたは140mm×1基増設可能)、リア140mm×1基(標準)、トップ120mmまたは140mm×2基、底面120mmまたは140mm×1基、左サイドパネル140mm×1基の冷却機構を備え、”窒息なり”に十分なエアフロー環境を得ることができる。
「G-Master Hydro-GK」はCPUとGPUを水冷化しているわけだが、2つのラジエターをマウントしたところで、まだ増設の余地が残されている。
北欧生まれの人気PCケース「Define R4」。ドライブベイスペースも十分に確保され、サイコムの製品サイトにあるカスタマイズ画面からは、キャッシュ用SSDをはじめ、データ用HDDなどの追加オーダーが可能。購入後もデータ量に合わせて増設すればいい |
マザーボードはIntel Z77 Expressチップセットを採用するATXモデル、ASRock「Z77 Extreme4」。以前、エルミタ的速攻撮って出しレビューで検証を行った、Z77チップ搭載の人気モデルだ。8+4 電源フェーズ構成にゴールドコーティングが施された日本メーカー製固体コンデンサなど、上位モデルを窺うスペックを誇る。なおカスタマイズにより、さらに上位となる「Z77 Extreme6」も選択できる。
以前の検証でエルミタお墨付きの「Z77 Extreme4」。カスタマイズによりさらに上位もチョイスできるが、その必要もないだろう |
前半でも触れたが、「G-Master Hydro-GK」で採用される水冷ユニットは、多くのオールインワン水冷キットのOEM元として市場の圧倒的シェアを誇るAsetek製だ。自作市場のコンシューマ向けのみならず、組み込み向けのモデル供給も行われているだけあって、カスタマーからの信頼性は非常に高い。
4本の水冷チューブが象徴的な「G-Master Hydro-GK」内部。ラジエターはトップパネルがCPUクーラー用、リアがGPU用として仕事をこなす |
CPUクーラー側にはAsetek製「550LC」を標準で搭載。ポンプ一体型水冷ブロックには熱伝導率に優れた銅製コールドプレートを採用し、受熱能力を高めた。さらにラジエター部にはサイコムオリジナル仕様として、ENERMAXの120mm口径PWMファン「UCTB12P」を採用。500~1,500rpmのワイドレンジに18dBA以下という静音性を確保した。
Asetekの組み込み向けヒット作「550LC」にENERMAX製ファンをチョイスした、サイコムのオリジナル構成。なお出荷時はアイドル時800rpm±10%に設定されている |
トップパネル部にマウントされた2基の冷却ファン。画像右側(フロント側)がラジエターにマウントされる120mm口径PWMファン、ENERMAX「UCTB12P」で、左側(リア側)が内部排気用にマウントされたFractal Designの140mm口径静音ファン「Silent Series R2」 |