エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.221
2013.03.30 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
Antec「HCP-1000 PLATINUM」 発売日:2013年4月6日 店頭想定売価税込32,800円前後 製品情報(Antec) |
「HCP-1000 PLATINUM」は、Antecのハイエンドシリーズ「High Current Pro」に属する80PLUS PLATINUM認証取得の高品位電源ユニット。同社の80PLUS PLATINUM認証製品としてはミドルクラスの「EarthWatts」シリーズが初登場だったものの、新たに1000Wの大容量モデルにも選択肢が広がった格好だ。初披露は「COMPUTEX TAIPEI 2012」まで遡る、「High Current Pro」の80PLUS PLATINUM認証モデル。この「HCP-1000 PLATINUM」を皮切りに、「HCP-1200」(1200W/80PLUS GOLD認証)など既存シリーズを置き換える存在として、今後の国内展開が期待される。
この新型モデルは、80PLUS PLATINUM認証取得が示す通り最大94%の電源変換効率を実現するほか、「ErP Lot 6: 2013」のサポートにより待機電力を0.5W以下に抑制。メーカー側も「他電源からの乗換えによる電気代25%節約」を謳う。もちろんランニングコストの優秀さだけでなく、“鉄板”の呼び声高いAntec製電源ユニットならではの安定性も健在だ。過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP)、不足電圧保護回路(UVP)、回路短絡保護(SCP)、過電力保護(OPP)、過熱保護(OTP)、サージ・突入電流保護(SIP)、無負荷定格速度運転(NLO)、低入力電圧保護(BOP)など各種保護回路を搭載、コンデンサもすべて高品質な日本製が採用されている。電源ユニットでは異例と言える7年保証をとってみても、その品質・信頼性に対する自信のほどが窺えるというものだ。
+12V出力は4レール独立仕様を採用。各40Aの大出力を誇り、SLIやCrossFireXなどグラフィックスカードの複数枚構成も難なくカバーする。3.3V、5V系統のマイナーレール電源も余裕の130Wが確保され、メインマシンの多彩なパーツ構成にも十二分に答えてくれる。冷却ファンは大口径135mmの2ボールベアリンググファンを搭載、静音仕様のモデルが採用され、動作中の稼動音も最小限だ。
また、長期保証を謳うだけに、将来を見据えた設計がなされているのも大きな特徴。「HCP-1000 PLATINUM」はAntec製電源には珍しくフルモジュラ―タイプを採用するのだが、これらコネクターソケットの形状に工夫がある。将来のマザーボードに対応したという20+8pinのマザーボードケーブルソケットや、8pinソケットを2つ並びにした16pinソケットを+12V系統に使用、将来的なコネクタ変更にも対応可能とした。ケーブルレイアウトはATX 24pin×1、EPS 8pin×2、PCI-Express 6+2pin×6、SATA×9、4pinペリフェラル×6、FDD×1。豊富なコネクタ数でメインマシンの多彩なパーツ構成をサポートする。
一見質実剛健を地で行くようでいて、外見上にも大きな特徴を秘めている。フルモジュラ―採用のコネクタは将来性を担保したもので、ユニークな連結機能も搭載する |
なお、「HCP-1000 PLATINUM」には見慣れない細いケーブルが1本追加で同梱されているが、これは独自の電源ユニット連結機能「OC Link」に使用するもの。「High Current Pro」シリーズの80PLUS PLATINUM認証電源ユニット同士をこのOC Linkケーブルで連結することで、2つの電源ユニットを合計した大出力を供給できる。製品ページによれば異なる容量のモデルも連結できるとされ、未発売の850Wモデルや1300Wモデルまでを組み合わせ、最大2600W、+12V出力217Aを実現するという。使用可能な環境やそれを必要とするスペックなどはさて置き、パワープレイで規格外のモンスター電源を手軽に構築できる点は面白いアイデアだ。