エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.225
2013.04.13 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
オプションとなる電源ユニットは、ATX規格がチョイスできる。さすがにコンパクトな筐体だけに、なんでもかんでもOKというワケにはいかないが、サイズからは奥行き140mm以下のモデルが推奨されている。
ちなみにマウントはトップパネルに沿うように、上部レイアウトを採用。電源ユニットを支える構造物がないため、誤って落下させないよう、十分注意しながら作業を進めたい。
試しに搭載したSFX電源は奥行き100mm。空きスペースは実測105mmで、まだまだ余裕がある。この件に関してサイズ担当者に尋ねてみたところ、ケーブルの干渉等を考慮して140mm程度を推奨しているとのこと |
ATXミドルタワーPCケースのほとんどは、マザーボードマウント用ネジ穴を使う事で、Mini-ITX対応も謳われている。しかしこれはあくまで”ついで”の部類で、Mini-ITX対応PCケースといえば、やはり相応のコンパクトサイズでなければ、スモールPCフォームファクタの良さを満喫することはできない。一方でそのコンパクトゆえの制約も覚悟しなければならず、増設ファンの搭載スペースも期待はできない。だが「MONOBOX ITX2」では40mm口径ながら、4基の増設スペースが用意されている。
バックパネルと電源ユニットの中間に位置するリアパネル部には、40mm口径ファン×4基が増設可能。必要に応じて、排気能力が調整できるようになっている |
BOX型Mini-ITXケースとは言うものの、さすがに大型CPUクーラーが搭載できるわけではない。「MONOBOX ITX2」の製品情報によると、最大高は70mm。正方形に近い筐体デザインだが、CPUソケットの上には電源ユニットがレイアウトされているため、これはやむを得ない。ここはサイドフロー型CPUクーラーは諦め、トップフロー型をチョイスしよう。
マザーボードに見立てた赤い板を置き、高さを計測。BOX型だけに余裕があるように見えるが、電源ユニットとスペースを分け合うことで、実際のCPUクーラー有効スペースは70mmとされている |
昨今の内蔵グラフィックはそこそこ使えるものの、イマドキのMini-ITXマザーボードにはPCI-Expressスロットが実装されている事が多いため、自作派ならやはりグラフィックスカードを挿してみたくなる。「MONOBOX ITX2」のグラフィックスカードの有効搭載スペースは公称180mm。製品のコンセプトから決して欲張ってはいけないが、このスペースならばミドルレンジクラスの選択肢は意外に多い。余談ながら、奇しくも以前レビューをお届けした、サイズの秀作Mini-ITXケース「Betty」も180mmだった。
公称180mmの拡張カードスペース。あまり無茶をしなければ、ミドルレンジクラスのグラフィックスカードを搭載することができる |
17cm四方のMini-ITXマザーボードをマウントした場合、ケース内部にどれ程の余裕があるのだろうか。マザーボードと同サイズにカットした赤い板を置き、メジャーで計測したところ、およそ30mm強だった。背面I/Oパネルにマザーボードの各端子をはめ込む場合、ある程度の”あそび”が無ければマウントできない。つまり空きスペースの30mm強は、必要にして不可欠なスペースと言える。
マザーボード固定時に必要な空きスペースは、実測約30mm強 |
Mini-ITX対応のコンパクトモデル相応のシンプルさから、凝ったギミックは一切なし。よって付属品も自作の原点に立ち返ったかのような、最低限の部品だけを使用する。PCケースレビュー始まって以来の、あっさりとした内容をご覧いただこう。