エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.225
2013.04.13 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
今回のレビューでは、株式会社サイズの計らいにより、今年2月にリリースされたTHERMOLAB「ITX30」も借り受けることができた(実は40mm口径ファンNoiseBlocker「BSF-XM1」もしかり)。しかしながら、検証で使用したマザーボードは、CPUクーラーが搭載されたGIGABYTE「GA-C1007UN-D」。よって活躍の場を奪われてしまったワケだが、せっかくの新製品だけに、その素性だけでも紹介しておきたい。
全銅製のCPUクーラー「ITX30」は、Intel LGA1155/1156対応のロープロファイルモデル。型番にある「30」は、全高30mmを表し、80×80×10mmファンがマウントされている。一般的に小型CPUクーラーでは、アルミニウム製よりも銅製が冷却的に有利とされており、大型CPUクーラーが搭載できない「MONOBOX ITX2」(高さ制限70mm)には、最適な相棒というワケだ。「MONOBOX ITX2」の製品サイトにはパーツ構成例でチョイスされている「ITX30」。選択肢が限られる小型CPUクーラーの中でも入手しやすいモデルとあって、現時点ベストチョイスになるだろう。
THERMOLAB「ITX30」(市場想定売価税込3,980円前後) 今年2月に発売された全銅製ロープロファイルCPUクーラー。全銅製ヒートシンクとφ6mmヒートパイプ×2本で構成され、10mm厚80mm口径ファンは、回転数1,400~2,500rpm±300rpm、騒音値最大27dBAのPWM可変に対応。TDP100Wまでがサポートされる |
”シンプルな四角い箱系”のMONOBOX(モノボックス)シリーズの新作「MONOBOX ITX2」は、そのコンセプト通りの実にあっさりしたPCケースだった。しかしそれに物足りなさを感じないのはなぜだろう。
近頃リリースされるPCケースの多くは、たくさんのギミックが詰め込まれ、いずれもよくできている。一方で、どれも同じような設計だけに、個性という面では面白みに欠ける。PCケースメーカーからは、「なにを贅沢な」と叱られてしまいそうだが、やはり”食傷気味”というのはあるもので、そのシンプル具合がとても新鮮に感じた。
一方で「MONOBOX ITX2」をあれこれいじり倒しているうちにやや気になったのは、電源ユニットの存在だ。ATX規格の電源ユニットがマウントできるのは大きなアピールポイントであることは確かだ。ただしその代償として、CPUクーラーの有効スペースが制限されてしまう点にマイナスのジャッジを下す人もいるだろう。まさに痛し痒しだ。
恐らくはBOX型コンセプトをベースに、立体パズルさながら構成パーツのレイアウトが決められていったはずだが、ATX規格の電源ユニットをマウントさせるには、この場所以外にはなかったのだろう。この手のコンセプトを貫く限り、電源ユニットの存在はいつもネックになってしまうものだ。
どうしても大型CPUクーラーを取り付けたいと考えるならば、汎用ACアダプタキットという手もある。限られた内部容積だけに、そこはうまく折り合いをつけたい。シンプルがコンセプトの「MONOBOX ITX2」は、あまり無茶をせず、文字通りシンプルに楽しみたい。