エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.227
2013.04.19 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「MB996SP-6SB」では、ストレージ冷却のため40mmファンを搭載しており、背面のスイッチで、ファン停止(OFF)、低速回転(L)、高速回転(H)の3段階に回転数を調整できる。当然、静音性を考えればファンを停止するのが一番だが、こと熱に弱いストレージの場合、発熱面で不安が残る。そこで、ファンの回転数によってどの程度ストレージ温度に違いが出るのかチェックしていくことにしよう。
テストは、SSD6台でRAID 0ドライブを構築し、「CrystalDiskMark 3.0.2e」の4000MB(テスト回数9回)を5回連続実行した中で最も高い温度を高負荷時、テスト終了後10分後の温度をアイドル時としている。
ファンの回転によるSSD温度の違い |
高負荷時は、ファン停止時で38.5℃、低速回転で36.9℃、高速回転で34.5℃とファンを回転させた状態でもそれなりに温度が上昇し、思ったほど差はつかなかった。一方、アイドル時の結果を確認すると、ファン停止時は35.1℃と温度がほとんど下がらないのに対し、低速回転では29.9℃、高速回転では26.4℃と一気に差が開いている。一般的な運用では低負荷、もしくはアイドル状態のほうが長いことから、6台フル構成の場合はファンを回転させておいたほうがいいだろう。
今回は5.25インチベイに収納する2.5インチリムーバブルケージ「MB996SP-6SB」について検証してきた。6台すべてのドライブを実装した場合でも、安定性や冷却性能に不安はなく、電源ケーブルの集約も可能となるなど、使ってみると想像以上に便利なアイテムだった。SATA3.0(6Gbps)対応SSDへのボトルネックもなく、スペースに制限があるMini-ITXケースやCube型PCでも、高速かつ大容量なストレージ環境を手軽に構築できる。
5.25インチベイさえ空いていれば、6台のSSDを組み合わせた夢のストレージ環境を構築できる |
また、リムーバブル機構とチップセットのホットスワップ機能を活かしてファイルサーバーやメディアサーバーのようなホームサーバーを組み立ててみるのも面白い。9.5mm厚に制限されるため、1台あたりの容量は1TBまでになるが、6台組み合わせれば最大6TB、RAID 5ドライブでも5TBと3.5インチドライブに匹敵する。コスト的にも3.5インチHDDと大きく変わらず、消費電力は削減できるため常時起動PCとしてのメリットは大きい。「MB996SP-6SB」は、これまでスペースの関係で諦めていたリッチなストレージ環境をコンパクトサイズで実現できる有用なアイテムとなるだろう。