絵踏一のKeyboard一点突破 Vol.4
2013.05.08 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
FILCO「Majestouch MINILA」 製品情報(ダイヤテック株式会社) |
「Majestouch」シリーズといえば、ご存知FILCO(ダイヤテック株式会社)が展開するメカニカルキーボードのベンチマーク的存在だ。主力製品はスタンダードを忠実に守ったお手本のような配列のモデルだが、先頃そのラインナップにコンパクトキーボードの新星「Majestouch MINILA」(以下「MINILA」)が加わった。フルキーボードと同じ19mmのキーピッチを維持しつつ、キー数を必要最小限に抑えた省スペース設計。新境地の配列を採用した、コンパクトキーボードに対する“FILCO的解答”といえる製品に仕上がっている。
その最大の特徴となるのが、スペースキーの両サイドに2つのファンクションキー(Fnキー)を配置した「親指ダブルFnキー配列」だ。そもそもキー数を抑えたコンパクトキーボードでは、Fnキーの押し合わせによる機能拡張はある意味で宿命といえる必須の機能。それだけにこの手の製品においては、Fnキーの取り扱いが使い勝手を決定づける重要なファクターになる。そこでこの「MINILA」では、入力時の使用頻度が低い親指がFnキーの押下を担当。各種機能キーと同時押しすることでホームポジションから指を離す必要がなくなり、さらに右利きや左利きの制約もないため、誰でも違和感なく使えるというメリットもある。とはいえ最重要キーでもあるスペースキーの両脇を占有するレイアウトには発表当初から賛否両論、まさにコンパクトキーボードの世界に一石を投じる存在として市場に登場した。
最大の特徴は何と言っても「親指ダブルFnキー配列」。スペースキーの左右にFnキーを配置、使用頻度の低い親指を同時押し用にフル活用しようというコンセプトだ |
キースイッチは「Majestouch」シリーズおなじみのZF Electronics社(旧CherryCherry)製Cherry MXスイッチを採用。現行流通するMX茶軸/青軸/黒軸/赤軸モデル4種類を取り揃え、打鍵感の好みに合わせてチョイスできる。配列は日本語68キーモデルと英語67キーモデルが用意された、全8モデル展開だ。
また、底面に実装するDIPスイッチによるキーレイアウトのカスタマイズにも対応、Windowsキーやアプリケーションキーの無効化をはじめ「CapsLock」キーと「Ctrl」キーの入れ替え、「Esc」キーと「半角/全角」キーなど共通キーの優先逆転も可能になる。
「MINILA」は日本語配列モデルと英語配列モデルで異なるパッケージカラーを採用し、外見から見分けられるよう配慮されている。ちなみに手元にある英語配列青軸モデルの「FFKB67MC/EB」は、ブラックを基調にピンクのカラーを採用。一方で日本語配列モデルはブラックの下地にグリーンでキーボードのシルエットが描かれる。さらに側面にはモデルごとにスイッチや仕様を色分けして記載され、棚に縦置きされた際も十分な情報が確認可能だ。
付属品は脱着式のUSBケーブル(1.8m)と、DIPスイッチ使用によるキー入れ替えに対応する交換用キートップ、キー引抜工具「FILCO Key Puller」など。同梱のマニュアルにはFnキーの使い方やDIPスイッチによるキーアサインの変更操作のほか、レジストリ書き換えによる配列変更の解説までが記載されている。
コンパクトキーボードながらテンキーレスモデルほどの大きさがある「MINILA」のパッケージ。ブラックの下地にキーボードのシルエットが浮かび上がるデザインで、日本語配列はグリーン、英語配列はピンクのカラーで描かれる |
側面や背面にも製品の概要を記載、新開発の配列はじめアピールポイントが網羅されている。付属品はUSBケーブル、交換用キートップ、キー引抜工具、マニュアルなど |