エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.244
2013.06.21 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて実際のゲームに即したベンチマークでスコアを計測していこう。まずはDirectX 11世代の「LostPlanet2ベンチマーク」から。品質設定は「アンチエイリアス」を“CSAA32X”、それ以外をすべて“HIGH”にセットし、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンで行った。
LostPlanet2ベンチマーク(fps) |
解像度に関係なくパフォーマンスは上昇しているが、いずれも1%未満と誤差の範囲。「LostPlanet2」では、CPUのオーバークロックだけでは限界があり、パフォーマンスに不足を感じるなら、グラフィックスカードのアップグレードを検討する必要がある。
次に「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」のスコアも確認しておこう。品質設定は“最高品質”を選択し、こちらも1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの解像度でテストを行った。
ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア |
4.20GHz動作の「Gaming Mode」では、1,280×720ドットで約4%、1,920×1,080ドットで約3%スコアが向上し、「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」では一定の効果が認められる。特に高解像度では「とても快適」から「非常に快適」に指標がアップしており、映像品質をもう一段上げたい場合には、「OC Genine 4」を有効にしてみるのもアリだ。
「OC Genie 4」が安定性を重視したチューニングとはいえ、電力面への影響は気になるところ。そこで最後にワットチェッカーを使い、消費電力の違いを確認してみることにした。なおアイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「3DMark Version1.1.0」実行中最も高い値とした。
消費電力(W) |
「OC Genine 4」では、アイドル時でも動作クロックが下がらないため、いずれのモードでもやや高め。また高負荷時は「OC Genie Mode」で6.6W増、「Gaming Mode」でも20.2W増とゲーミングPCでは十分許容範囲内。パフォーマンスを重視するなら「OC Genie 4」は、常に有効にしたままで運用してもいいだろう。
ともすれば過剰装備になりがちなハイエンドゲーミングマザーボードにおいて、MSI「Z87-GD65 GAMING」のバランス感覚の良さは秀逸だ。多すぎる電源フェーズや、ゲーミング用途では、あまり使用されることのないブリッジチップによる4-Wayマルチグラフィックス対応については敢えて排除。これにより、他社のミドルハイと同等レベルの2万円台前半という優れたコストパフォーマンスを実現している。
一方で、KillerブランドのギガビットLANチップ「Killer E2205」や音質を追求したオーディオ回路、そして高品質コンポーネントを採用した電源回路など、ゲーミングPCに必要とされる機能はすべて網羅。さらに「OC Genie 4」による安定性重視のオーバークロック機能は、よりパフォーマンス志向のゲーマーのニーズにもしっかりと応えてくれるはずだ。思い切った割り切りと、必要な機能を追求する姿勢は、いかにもMSIらしいテイストで、第2世代ながらすでに円熟した味を感じさせる。これからHaswellでゲーミングPCを構築するならぜひ検討に加えたい1枚だ。