エルミタ的「一点突破」PCケース編 Vol.9
2013.07.08 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外観のチェックが終わったところで、次に内部構造を細かくみていこう。なお「E-M5」を構成する6面のパネルはリベットを使わず、すべてネジで固定されていた。つまりネジをすべて取り払うと、完全にバラバラにする事ができる。エントリークラスのPCケースの多くはリベットを使い、手間の掛かるネジは多用しない。小型PCケースでは決して珍しいものではないが、晩年の処分時には所有者を煩わせる事がないというメリットもある。
「E-M5」は、通常のミドルタワーPCケースのように、フレームに外装パネルを取り付けるのではなく、外装パネル自体に構成パーツを組んでいく。この大きな違いを念頭に、細部をチェックしてみよう。
フロントとボトムパネルのみを残して、4面のパネルを取り外すとこの通り。横に2本平行するプレートは、マザーボードマウント用のもので、これもネジ留めにより取り外すこともできる |
兄弟モデル「E-M3」の251.5mmに対し、「E-M5」は275mmと24.5mmほど背が高い。これは薄型光学ドライブベイの有無によるもので、上位の「E-M5」にはスロットインタイプの薄型光学ドライブがマウントできるようになっている。フロント上部にはディスクの出し入れができるスリットが設けられ、トップパネルには光学ドライブ固定用のマウンタが装備されていた。
「E-M5」のみに装備される、薄型光学ドライブベイ。クラウド時代とはいえど、やはりディスクによるソフトウェアインストールや、DVDやBlu-rayディスクなどで動画を楽しみたいユースには必須。なおディスクの出し入れはOSから行う事になる | |
トップパネル裏面に吊り下げられる薄型光学ドライブ搭載用マウンタ。よくある増設用の金物で、ディスクローディング・スロット式光学ドライブが搭載できる |
次に気になるストレージ搭載スペースをチェックしよう。「E-M5」の製品サイトにあるスペック表には「1*3.5″ HDD and 1*2.5″ HDD; 3*2.5″ HDD; 2*3.5″ HDD」と記されている。このモデルに限った事ではないが、凝ったギミックが装備されている分、近頃の表記は非常に分かり辛い(さらに補足もない)。表記のママでは想像がつきにくいため、画像で詳細を解説しよう。
デフォルトの状態で内部を覗き込むと、ミドルタワーPCケース等で見慣れたシャドウベイユニットの類いは見当たらない。ではどこにマウントするのかといえば、ボトム面に空けられた複数の穴を利用した、いわゆる”ベタ置きタイプ”になっていた。本体を裏返すと、「2.5HDD」や「3.5HDD」の文字が確認できる。つまりその部分にHDDやSSDの底ネジでネジ留めするワケだ。
さらに日本国内市場で発売される「E-M5」には、本来オプション扱いのマウンタ1セット分が標準で装備されるという。これにより、1セットあたり2.5インチSSDが最大3台、または3.5インチHDDが最大2台増設できてしまう。つまり、オプションでもう1セット用意すれば、2.5インチSSDのみ最大6台や、3.5インチHDDのみ4台など、デスクトップPCケース並の収納力を発揮してくれる。
※初出時、マウンタの付属数は2セットとしていましたが、実際には1セット付属で販売される事が分かりました。謹んで訂正させて頂きます(7/8 13:40)
本来オプション扱いのマウンタが、発売元のエムコーポレーションによる粋な計らいにより国内販売モデルでは付属品に昇格。非常にありがたい | |
マウンタは1セットが付属される。いずれもボトム面にネジ留めすれば、立派なシャドウベイの出来上がり。ちなみにデフォルトの”ベタ置き”との両用は想定されていない |