エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.247
2013.07.15 更新
文:GDM編集部 池西 樹
次に「シムシティ」プレイ中の発熱とファンの回転数をチェックしていくことにしよう。計測には「GPU-Z 0.7.2」を使い、「シムシティ」を1時間プレイさせた中で最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時としている。
GPUコア温度(℃) |
ファンの回転数(rpm) |
GPUコア温度は、定格動作で60℃、オーバークロック時でも64℃で、グラフィックスカードの温度としては、まだまだ余裕がある状態。これからの季節、さらに暑くなることを考慮しても、冷却性能にまったく不安はない。またファンの回転数は約100rpm上昇しているが、耳に入る騒音に変化はなく、静かに確実に冷却をしてくれる。ながらプレイの多いシミュレーションゲームでは、静音性の高さも重要なファクタとなるが「GV-R779OC-2GD」なら騒音面でも合格だ。
Radeon HD 7770から大きく性能が向上した「GV-R779OC-2GD」だが、消費電力はどの程度増加しているのだろうか。そこでワットチェッカーを使い、各モデルの消費電力を確認してみることにした。高負荷時は「シムシティ」を1時間プレイさせた中で最も高い数値、アイドル時は10分間何もせず放置した際の最低値としている。
消費電力(W) |
さすがに補助電源を持たないRadeon HD 7750との比較では、約40Wと大きな差がついている。しかし、同じ補助電源構成のRadeon HD 7770との比較では、約10Wと許容範囲内。TDPの違い(5W)よりは若干差が開いているが、「シムシティ」を始め、ほとんどのベンチマークで大きくパフォーマンスを伸ばしていることを考慮すれば、ワットパフォーマンスは優秀。多くのユーザーにとって「GV-R779OC-2GD」のほうが、より魅力的な製品として映るだろう。
パフォーマンス至上主義の上位モデルと違い、メインストリーム向けグラフィックスカードでは、冷却性能、静音性、消費電力など、手に取るユーザーによって要求が異なることから、最大公約数的なバランス感覚がとても重要だ。その点、GIGABYTE「GV-R779OC-2GD」は、フルHD解像度での高画質プレイに耐えうる高い性能はもちろん、Radeon HD 7790の省電力性と「WINDFORCE 2X」の組み合わせにより、静音性や冷却性能にもまったく不満はない。
唯一気になるのが、メインストリームとしてはやや長い基板サイズだが、これもショートサイズの1GBモデル「GV-R779OC-1GD」を用意することで解決。ユーザーに向けて、あえて異なる選択肢を提供している点は、まさに心憎い配慮といえる。比較的枯れたアーキテクチャということで、ゲームへの最適化も進んでおり、新規PCだけでなく既存PCのアップグレードにもオススメだ。