エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.248
2013.07.17 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて、ここからのテストセッションでは一転して「H779QMT1GD」へバトンタッチ。メーカー各社が最も注力するミドルレンジ市場の注目モデル、Radeon HD 7790のパフォーマンスをチェックしていく。
そしてテストを前に一工夫。「H779QMT1GD」が高耐久基板「iPower」搭載モデルなことを幸いに、HIS製のユーティリティツール「iTurbo v1.4.4」を使用してオーバークロックを試みることにした。
HISが公開しているユーティリティツール「iTurbo」を使ってオーバークロックを試みる。自動OC機能もついていたりと、なかなかに多機能で便利なツールだ |
「iTurbo」には中央の“iTURBO”ボタンを押すことで作動する簡易OC機能もあるものの、1,085MHzとやや小幅にとどまったため、“Advanced”メニューより詳細なクロック調整を選択。出荷時クロック比で1割ほどのパフォーマンスアップを狙ってみた。今回電圧調整などは行わなかったものの、コアクロック1,180MHz(出荷時1,075MHz)、メモリクロック6,800MHz(データレート/出荷時6,400MHz)で難なく安定。労せずして性能向上を実現した。突き詰めればさらに上を狙うことも難しくなさそうだが、興味のある人は自己責任にて試してみてほしい。
また、同じく「iTurbo v1.4.4」によるクロック調整でリファレンススペックも再現。3パターンの動作クロックを並べ、オーバークロックによる効果のほどを確かめてみよう。なお、テストに使用した環境は以下の通りだ。
「iTurbo v1.4.4」を使用してダウンクロック。リファレンススペックを再現し、計3パターンの動作クロック比較を行うことに。なお、アイドル時はいずれもコア300MHz、メモリ150MHzにクロックが低下していた |
まず最初のベンチマークテストは、大定番の3Dベンチマーク「3DMark」を使用した計測から。ゲームにもバリバリ活用したいミドルレンジのカードだけに、DirectX 11の機能をフル活用した「Fire Strike」を選択。さらに最高レベルの負荷環境を想定し、「Fire Strike」の“Extreme”プリセットでも計測を行なっている。
Fire Strike | |
Fire Strike“Extreme” |
まず「Fire Strike」においては、多少おとなし目ではあるものの出荷時クロックはリファレンス比でスコアが約2~4%前後上回った。メーカーチューンが効果を発揮している証拠だが、OCバージョンはさすがリファレンス比180MHz(+メモリクロック800MHz)のクロック差があるだけにスコア差も拡大。Graphic Scoreでは最大約8%の差がついている。負荷の大きい“Extreme”プリセットではさらに差が顕著になり、総合・Graphic Scoreともに出荷時比で約10%、リファレンス比で最大16%スコアが上昇。高耐久基板を採用するだけあり、カスタマイズしてこそ真価を発揮するタイプなのかもしれない。
続いてはDirectX 10におけるパフォーマンスを確認すべく、「3DMark」の「Cloud Gate」をチョイス。いまだに対応タイトルの多いDirectX 10環境でのクロック別パフォーマンスを確かめてみよう。
Cloud Gate |
CPU性能の影響もあり、3モデルとも総合スコアは頭打ち状態。ただしグラフィックスカードのパフォーマンスを測るGraphic Scoreでは打って変わって、OCバージョンはリファレンス比で15%のスコア差をつけた。DirectX 10環境でも動作クロックの違いはしっかりと現れている。