エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.249
2013.07.20 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
続いて「HFrame mini」の内部構造をチェックしていこう。Mini-ITXフォームファクタに対応するコンパクトなPCケースだけあって、内部構造は比較的シンプルに設計されている。一方で無駄のないレイアウトはこの手のモデルには必須事項。さて、どんなアイデアが詰め込まれているのだろうか。
制約のある空間をいかにうまく設計できているかが、この手の製品の重要ポイント |
その特異な設計から、電源ユニットは標準装備品としてフロント側に搭載されている。採用されているのは、容量180W、80PLUS BRONZE認証が取得されたIn Win「IP-AD180-2」。このモデルは、In Win「IP-AD」シリーズとしてラインナップされるもので、側面には40mm口径冷却ファンが搭載されている。
「HFrame mini」ではフロントレイアウトにする事で、ACケーブル接続用コネクタはケース内部にケーブルを這わせ、リア上部まで延長されている。
バックパネルの関係上、マザーボードの搭載位置は動かすことができないため、自ずとフロントマウントになった電源ユニット | |
フロントマウントの電源ユニットから上部にケーブルを取り回し、リア上部にソケット設けた | トップ面には40mm口径の冷却ファンを搭載。ラベルからADDA製である事が確認できる |
ちなみに「IP-AD180-2」の外形寸法は、W54×D185×H48mm。スペックは、+12V1/10A、+5V/14A、+3.3V/13A、-12V/0.3A、+5VSB/2Aとされている。またコネクタはカタログスペックとは若干異なり、ATX24pin×1、CPU12V4pin×1、SATA×1の3本のみで、「HFrame mini」用にカスタマイズが加えられていた。
「HFrame mini」に収納できるドライブ数は、2.5インチ×2と薄型光学ドライブ×1の合計3つ。スリム型Mini-ITXケースとしては標準的なスペックと言えるだろう。そもそもこの手のモデルに、これ以上の搭載能力を求めるには無理があり、スタイルとコンセプトに見合った構成を考えるべきだろう。
「HFrame mini」のストレージ搭載スペースはマザーボード搭載エリアとは違い、背中合わせとなる右側面に集約されている。つまり、アルミニウムパネル1枚に隔てられ、左側がマザーボード、右側がストレージに分かれているのだ。
マザーボード搭載面の裏側にストレージ搭載スペースを集約。アルミニウムパネルで両者を分け、スペースが確保されている |
興味深いのは、各々のストレージ搭載スペースには、予め配線が完了している点。ホットスワップ対応カートリッジのコネクタと同じく、コネクタが既に固定されており、組み込みはSSDや薄型光学ドライブをネジ留めするだけで面倒な配線をする必要がない。小型PCケースでネックになるケーブルの取り回しや結束は不要というワケだ。これは組み込み時の利便性はもとより、オープンエアーケースという性格上、完成後の見栄えも考慮されているのではないだろうか。
予めストレージ搭載スペースには配線が完了しているため、無理な取り回しや無駄なケーブル等は一切ない。ちなみに画像左がフロント方向 | |
各ストレージ搭載スペースには、電源とデータ用がひとまとめになった専用のコネクタがネジ固定されている |
ここまでオープンエアーケース「HFrame mini」をすみずみチェックしてきた。この後は実際に組み込みを行うワケだが、その前に付属品を総点検しておこう。前作「D-Frame」は、「自作をする前にPCケースを自作する」という、いわばDIY PCケースだったことから、とてつもなく付属品が多かった。一転、新作「HFrame mini」は通常の完成型スタイルであることに加え、Mini-ITX対応スモールPCケースとあって、自作に必要な付属品の点数は非常に少ない。