エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.254
2013.08.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
Core i7-4770Kによるオーバークロック動作を確認したところで、その効果を確認するため「CINEBENCH R11.5」でスコアを測定してみることにした。
CINEBENCH R11.5(pts) |
プリセットのままで動作が可能な4.40GHz動作でも、シングルコア約12%、マルチコア約16%と良好な結果。さらに4.80GHz動作では、シングルコア約22%、マルチコア約27%と大幅にスコアが向上し、マルチコアテストでは、6コアCPUに匹敵する性能を発揮している。 8フェーズの強力な電源回路を備える「H87 Performance」なら、安定性の面でも不安はなく、性能にもうひと伸び欲しい場合は「Non-Z OC」を使ったオーバークロックを試してみるといいだろう。
最後にオーバークロックによって、消費電力がどの程度増加するのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R11.5」動作中で最も高い値とした。
消費電力(W) |
「Non-Z OC」のプリセットでは、クロックに関係なく一定の電圧を維持する「Override Mode」が選択されているため、アイドル時でも定格から17~18Wと大きく上昇している。また高負荷時は、動作クロックで上回る4.80GHz/1.26Vよりも、4.40GHz/1.30Vの方が若干だが消費電力が高く、コアクロックよりも電圧による影響が大きいことがわかる。ちなみに、今回のテストでは、CPUクーラーにサイズ「峰2」(型番:SCMN-2000)を使用しているが、高負荷時はいずれも90℃前後まで温度が上昇しており、冷却にはかなり注意が必要となるだろう。
「Fatal1ty」の名を冠しているため、どうしてもゲーマー向けという印象が強い「Fatal1ty H87 Performance」。しかし、音質にこだわったサウンド回路「Purity Sound」やIntel製ギガビットLAN、さらにはモバイル端末との高い親和性など、実際には通常運用でも力を発揮する万能型マザーボードだ。
必要な機能はすべて揃った万能マザーボード「Fatal1ty H87 Performance」 |
「Non-Z OC」機能によるオーバークロックは、“Intelによるマイクロコードの更新で制限される可能性がある”という情報もあり、過度の期待は禁物ながら、4.80GHzでも安定動作する品質と耐久性の高さは、定格運用でも大きな魅力。拡張面でも、6ポートのSATA3.0(6Gbps)やUSB3.0を搭載するなど、上位モデルと遜色なく、コストを抑えつつ性能にも妥協をしたくない、欲張りなユーザーの欲求を満たすバランスのとれた良マザーボードに仕上がっている。