エルミタ的「一点突破」 Vol.30
2013.08.11 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「NH-U14S」に搭載されるφ6mmの銅製ヒートパイプには、ニッケルメッキ加工が施されている。Noctuaは相変わらず「ヒートパイプダイレクトタッチ否定派」であり、このモデルも当然ながら上下の受熱ベースにサンドイッチされる形で密着固定されている。
はんだが外にはみ出す事無く、きれいに仕上げられたヒートパイプと放熱フィンの接合部。高い工作精度と、冷却能力には直接影響がない「見た目の美しさ」こそ、世界のNoctuaファンを魅了する大切な要素だ | |
ヒートパイプは放熱フィンの外側に2本、内側に2本、さらに中央寄りに2本がそれぞれレイアウトされ、ヒートシンク全体に熱を拡散させている |
「NH-U14S」に搭載される冷却ファンは、単体でも発売されている「NF-A15 PWM」。「Flow Acceleration Channnels」と呼ばれるブレードの末端には3本のスリットが設けられ、風の剥離と乱流ノイズを軽減。流体軸受けベースの「SSO2」ベアリングは従来のボールまたはスリーブベアリングよりも滑らかで長寿命を実現するという。なお型番からも推測できるように、140mm口径のスクエアタイプではなく、幅150×高さ140mmの異型ラウンドタイプ。汎用性を高めるため、120mmファン互換のネジピッチ(105mm)が採用されているのも特徴だ。
標準搭載ファンの「NF-A15 PWM」。スペックは回転数300~1,200rpm(L.N.A使用時900rpm)、風量115,5 m³/h(88,7 m³/h)、騒音値19.2dBA(13.8dBA) |
なお「NH-U14S」への取り付けは、ワイヤークリップ式を採用。ヒートシンクと密着する四隅には、「AAOフレーム」と呼ばれるゴム製の振動パッドが装着されている。
「NH-U14S」には冷却ファン増設用ワイヤークリップが付属しており、デュアルファンで冷却能力をUPさせる事ができる。ちなみに付属のワイヤークリップは、120mm口径ファンピッチ用だが、やはりここは標準搭載される「NF-A15 PWM」がベストチョイスとなるだろう。筐体内部の状況やオーバークロック用途など、CPUの熱が気になる場合は増設をオススメする。
「NF-A15 PWM」は国内でも2,800円前後で入手可能。比較的高価な部類の汎用ファンだが、標準搭載品と同一モデルだけに間違いはない | |
「NF-A14」と「NF-A15 PWM」の各寸法。150mm口径にカテゴライズされる「NF-A15 PWM」は、ネジピッチが105mmで120mm口径ファン互換。「NH-U14S」には最適なモデルだ |