エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.259
2013.08.20 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
光学ドライブ、SSD、HDDのマウントも完了し、無事PCが完成。ケーブルマネジメントとPCパーツ搭載後の主要空きスペースをチェックしておきたい。
「Carbide Air 540」のケーブルマネジメントホールは、マザーボード上部と、同右サイド部の縦列、さらに下部にも用意されている。
マザーボードトレイ正面(左側面)から見た内部の様子 | |
マザーボードトレイ裏面(右側面)から見た内部の様子 |
これら複数のスルーホールを使い、あれこれ工夫しながらケーブルマネジメントを仕上げていく作業は楽しい。今回はオプションのスリーブケーブルを使っているため、通常よりもケーブルの取り回しが楽だった。また「Carbide Air 540」は一般的なPCケースとは違い、マザーボードトレイ裏側のスペースが広いため、比較的無造作に配線しても気にならない。実は今回の組み込み例では、タイラップ等の結束ツールは一切使用していない。それでも十分に見栄えがいいのは、間違っても筆者のテクニックではなく、「Carbide Air 540」の設計の妙である事は、付け加えるまでもない。
次にグラフィックスカード搭載後の空きスペースと、CPUクーラー有効スペースを計測し、検証を終えることにしよう。
「Carbide Air 540」最大の特徴といえば、やはり2層に分かれた「デュアルチャンバ設計」に尽きるだろう。マザーボードトレイを中心に、左右にスペースを設け、それぞれ構成パーツを棲み分けて配置。十分にスペースが割かれているだけあって組み込みやすく、構成パーツはゆとりをもってマウントできる。一般的なタワー型PCケースでこれをやろうとすれば、単に大型化するしかないだろう。しかしBOX形状にすることで、余分な高さは必要とせず、内部容積は十分に確保できている。サーバー系PCで見かけるこのスタイルを、コンシューマ向けモデルに採用したCORSAIRの着眼点は見事だ。
他方で、設置場所はミドルタワーPCケースよりも余分に確保しなければならない。購入を検討するならば、決断前に大きさの確認をしておこう。
今回のレビューが決まる少し前、CORSAIRの秀作MicroATXケース「350D」を購入した。これを選んだのは、実際に検証を行い、その使い勝手の良さに魅了されたからに他ならない。手持ちのパーツと少々の買い増しで、空き時間にコツコツ作業し、組み上げが完成した頃に「Carbide Air 540」の評価機が届けられた。
ひと通りの検証を終え、まさか新たに設置場所の捻出を考えるようになるとは思いもよらなかった。今、筆者にとって「Carbide Air 540」の存在は、新たな悩みの種になっている。