エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.270
2013.10.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に「Kuhler H2O 1250」の評価サンプルを箱から取り出し、詳細チェックを開始しよう。構成パーツが全て組み込み済みの「Kuhler H2O 1250」を上面から眺めると、従来型240mmサイズラジエター水冷ユニットとなんら違わない。しかし側面からラジエター部を見ると、冷却ファン上部のポンプが大きく張り出し、たちまち違和感を覚える事になる。ボリューム感たっぷりのラジエター部は、従来モデルよりも高い冷却パフォーマンスを期待させる。
なんと言っても特徴的なのは、冷却ファン中央部に設置されたポンプの存在。240mmサイズラジエターだけに、オールインワン水冷ユニット初のデュアルポンプ仕様である点は大きな注目ポイントだ |
240mmサイズラジエターを採用するだけあって、120mm口径の冷却ファンは2基を標準搭載。各々の中央部には、ポンプが搭載され、外観上の大きなポイントになっている。さらに「上り」「下り」2本のウォーターチューブは、それぞれ最短でラジエターの末端に接続されており、設計には一切無駄がない。
Antecロゴシールが貼り付けられたポンプ本体。従来品よりも大型なポンプを搭載し、圧送力の低下を抑えている | |
ポンプとラジエター間のウォーターチューブは最短で直結されている。水冷ユニットで冷却能力を高めるため、ウォーターチューブを短くする事は基本中の基本だ |
ポンプの裏側にマウントされている冷却ファンは、7枚羽構成で120mm口径×25mm厚のオープンフレームタイプ。回転数は600~2,400rpmのワイドレンジPWMに対応する4pinコネクタ仕様で、ブレードの表面には3本のラインが刻まれている。さらに目を凝らしてみると羽部分とラジエターの間には、冷却ファンが作り出すエアフローを無駄なくラジエターに吹き付ける「指向性ブレード」と呼ばれる整流板が装備されていた。
ポンプのおかげで少々影の薄い120mm口径×25mm厚のオープンフレーム型冷却ファン。騒音値は22~45dBAとされている |
ホワイト色で「指向性ブレード」の、オープンフレーム型120mm口径ファンと大型ポンプの組み合わせは、外観スタイル上の大きな主張となっているが、ラジエター自体は従来型と大きな違いはない。敢えていうならば、左右末端に各2口分のフィッティングが固定され、両端から各2本のウォーターチューブが伸びている点だ。
従来型240mmサイズラジエターとの比較。当然ながら縦横サイズに違いは無い | |
冷却ファン搭載裏面を見ると、コア部分を含め、ラジエター自体の作りは同等と考えていいだろう |