トレードマークの「TRIPLE SILENCER」クーラーを観察

さて、本項では長大な「TRIPLE SILENCER」クーラーを引き剥がし、その素性を検分してみよう。そもそも現行のGeForceシリーズがサポートする「GPU Boost 2.0」は、基本的に高温ではクロックが伸びない仕様のため、パフォーマンスアップにおけるクーラーの役目は大きい。
　基板全体をあまねくカバーする「TRIPLE SILENCER」は、銅製の受熱ベースを5本のヒートパイプが貫き、2ブロックに分かれたヒートシンクをトリプルファンで冷却するという巨大な機構。メーカーでの検証では、リファレンスからGPU温度を約10℃、騒音を約15dB低下させることに成功している。

既存のクーラーの中でも“最長”クラスは間違いなさそうな「TRIPLE SILENCER」クーラー。裏面から眺めてみると、2ブロック構造のヒートシンクをヒートパイプで連結させているのが見て取れる
受熱ベースはヒートパイプと同素材が使用され、ダイレクトタッチ的なアプローチになっている	細かいフィンが連なるヒートシンク。先端側のブロックには3本のヒートパイプが通り、熱を隅々まで移動させている
工作精度の高さがうかがえるヒートパイプ。受熱ベース側も2本のヒートパイプが回りこんでいる
ヒートシンク全体を冷却するオレンジ色の大口径トリプルファン。ファンは4pinコネクタ1本で駆動しているようだ

高負荷に耐える余裕たっぷりのオリジナル基板

ことさら搭載コンポーネントを誇ることをしない「GTX 780 AMP Edition」ではあるが、その実余裕たっぷりの大型基板には各種コンポーネントが堅実に配置されている。ここでは基板上のチップ群を含め、普段はクーラーの内側に隠された諸々を観察してみよう。

本来は保証対象外のクーラー外しにて、内部のコンポーネント群を観察。最長クラスの基板を採用しているだけに、基板上にはブランクスペースもそれなりに見受けられる
メモリとMOSFET部分には冷却効率向上のため、専用の放熱プレートが貼り付けられていた
右側には電源周りのコンポーネントが集中。細長いクーラーの下敷きになることが前提のため、全体的に背の低いパーツ類が採用されている
中央に実装されているのは、NVIDIAのハイエンドGPU GeForce GTX 780	Samsung製メモリチップ「K4G20325F0-FC03」。計12枚で3GBのビデオメモリを構成している
ON Semiconductor製のPWMコントローラ「NCP4026」	MOSFET周辺には、背が低く低発熱かつ高効率なタンタルコンデンサが実装されている
固体コンデンサも小ぶりで背の低いタイプが採用されている
「TRIPLE SILENCER」クーラーを駆動させている4pinコネクタ。なお、基板上には何も接続されていない2pinコネクタも実装されている