エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.277
2013.11.08 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
Phanteks自信の新作「Enthoo Primo」の外観スタイルから順を追って検証を進めていく。外装部にアルミニウムパネルを採用し、質感を高めたボディは重厚感のあるブラック1色のみ。フロントパネルにはドライブベイを隠すフロントドアが装備され、全体的にスッキリとしたデザインが印象的だ。
メーカーロゴ等の装飾も一切ない「Enthoo Primo」。フロントパネル右横から下部にかけてのメッシュ仕様は、デザイン上最大の特徴と言えるだろう |
ドライブベイを隠す左開きのフロントドア部にはマグネットが使われている。工作精度も高く、ドアの開閉はスムーズで気持ちがいい。また、ドア表面にはアルミニウム板が埋め込まれており、見栄えの良さに加え重厚なイメージ作りにも一役買っている。
さらに中央下部は着脱式パネルが装着されている。プッシュラッチ式で固定されたパネルを外すと、フロント吸気ファン2基が姿を現す。
左開きのフロントドア。表面に貼り付けられたアルミニウムパネルは、見た目だけでなく剛性を高める効果もある | |
下部のパネルも着脱が可能。「プッシュラッチ」による固定で、上部をワンプッシュする事で簡単に取り外す事ができる | |
防塵フィルターを備えた着脱式フロントパネル。吸気ファン用の装備で、プラスチック製のフィルタ本体はネジで固定されている |
トップパネル面積のほとんどは通気孔仕様。メッシュ状のパネルは、リア方向末端2箇所にプッシュロック機構を備え、簡単に着脱ができるようになっている。取り外したパネルの裏面にはあらかじめ防塵フィルタが装着されており、容易にメンテナンスができる。
プッシュロック機構で着脱が容易なトップパネル。防塵フィルターに付着したホコリは掃除機等で簡単に取り除くことができる |
大型PCケースだけに、ほとんどが”床ベタ”設置になることから、スイッチ類およびアクセスポート類は上部右側一列にレイアウトされている。前面右側上部には、POWERスイッチボタンのみを装備。さらに上面右側には、手前からLED ON/OFFスイッチ、RESETスイッチ、USB3.0ポート×2、USB2.0ポート×2、ヘッドフォン×1、マイク×1が並ぶ。なおUSBポート(計4ポート)には、それぞれゴム製の防塵キャップが装着されている。ポート使用時には都度取り外す必要があり、キャップ自体は独立パーツゆえ、紛失の可能性がある。一見、なんの工夫もない装備品というイメージだが、フロントアクセスポートを使用しない人には小粋な配慮と言えるだろう。
本体床置き想定で、スイッチ類および各種I/Oポートは上面右側レイアウト。特にPOWERスイッチは、PCケースを自然に触れるような感覚でアクセスできる |
PCケースが大きいだけに、2個のハンドスクリューで固定された両サイドパネルもかなりの大判サイズ。素材はスチール製だけに重く、駆動振動による共振などの心配はないだろう。左サイドパネルは開口部の広いブルーアクリルウィンドウで、内部の様子を見て楽しむ事ができる。また、右サイドパネルは、フロント側には縦長の通気孔があり、未使用時はブランクパネルでネジ留め。リア側は長方形の通気孔で、電源ユニットの冷却ファンがこの位置にレイアウトされる。
アクリルウィンドウはブルー系スモーク色。開口部が広く、内部構成パーツを見て楽しむ事ができる | |
右サイドパネルには2箇所の通気孔が設けられていた。なおブランクパネルはネジ留めで、使用時は取り外す |
左サイドを斜めに見ながら、リア部をチェックしてみよう。PCケース内部構造は、リア部を見ればおおよそ見当がつく。「Enthoo Primo」は一般的なPCケースよりも高さと幅が大きいため、装備品や各スペース間が比較的ゆったりと設計されている。順を追って見ていくと、バックパネルI/Oと背面排気ファンの上部にはラジエター搭載スペースとおぼしき空間がある。また、拡張スロット横には通気孔が設けられ、ネジ穴らしきものが確認できる(何かが搭載できるに違いない)。さらに最下部の電源ユニット搭載スペースがユニークだ。右側は冷却ファンが搭載できそうな穴があり、左側の開口部を見ると、どうやら電源ユニットは縦置きでマウントする設計らしい。
内部構造を表すリア部。大型PCケースだけに、見慣れたミドルタワーに比べ、このモデルならではの設計を垣間見る事ができる。各々の詳細については、この後じっくり解説していこう |
大きなボディを慎重にひっくり返し、ボトム面をチェックしてみよう。「Enthoo Primo」デザイン上の特徴である”左右非対称”は、ボトム部でも見て取れる。さらに特徴的なのは、全面にわたって通気孔仕様になっている点。高い冷却能力が最大のアピールポイントだけに、ここからもその片鱗を窺い知ることができる。なお冷却機構については後ほどじっくり解説する。
ボトム面ほぼ全域にわたり、通気孔で構成されている「Enthoo Primo」。自然吸気能力が期待できる | |
スライド着脱式防塵フィルタは2枚構成。ケース内部へのホコリの侵入をカットしてくれる。なお設置面はゴムラバータイプのインシュレーターが合計7枚貼り付けられていた |