エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.281
2013.11.20 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ここからは実際のゲームプレイを想定し、ゲームベンチを使用したスコア計測にスイッチ。まずは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のスコアを確認する。品質設定は“最高品質”にセット、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択した。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
「OC Genie Mode」では定格比で約2%と物足りないスコアに終わったものの、4.2GHz動作の「Gaming Mode」では5%以上へのスコア差が拡大。十分な効果を見込むことができた。特にシステムが不安定になることがなければ、ゲームプレイ中は「OC Genie 4」を有効にしておくことをオススメしたい。
続いてカプコンのホラーアクション「バイオハザード6」のPC版ベンチマークテストを実行し、ベンチマークテストを締めくくろう。品質設定は最高品質(初期設定)にセットし、解像度はこちらも1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンを選択した。
バイオハザード6ベンチマーク |
結果的には「新生エオルゼア」と同じ傾向で、クロック100MHz差の「OC Genie Mode」ではスコアの伸びが2%台とやや低調。ただし4.2GHz動作(300MHz差)の「Gaming Mode」では最大6%近くまでスコア差が拡大している。もしマニュアルのオーバークロックでさらに設定を詰めれば、かなりのパフォーマンスアップが期待できるのは間違いない。
最後は、ベンチマークテストにおける「OC Genie 4」実行時の消費電力推移をチェックしておこう。“安全圏内”のオーバークロックではあるものの、果たしてワンタッチのチューニングはシステムの消費電力にどこまで影響を与えているのだろうか。
なお、計測に当たっては「3DMark」の“Extreme”プリセット実行時における最も高い数値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを使用した計測を行った。
消費電力計測(W) |
「OC Genie 4」ではアイドル時でも動作クロックが下がりきらず、定格に比べやや消費電力が大きい。ただし高負荷時でも最大で20W未満と、全体的な消費電力増は許容範囲に収まっているという印象だ。アイドル時の微妙な差を
気にしないのであれば、「OC Genie 4」は常に有効にしていても問題ないだろう。
基本的に小さくなるということは削ることであり、ことマザーボードにおいても省スペースかつハイエンドという構成を実現する選択肢はそれほど多くはない。その点で機能多彩な「Z87M GAMING」は抜きん出ており、MicroATXフォームファクタでありながら、要求の高いゲーミングモデルとしての役目を十二分に果たす稀有な存在だ。軍事規格をクリアする堅牢さとハイレベルなオーバークロック耐性、マルチGPUのサポートにKiller NICの搭載や充実のサウンド環境など、ゲーマーが期待する機能のほとんどがこの面積で網羅されている。妥協なく高水準にまとめられた構成は、MicroATXマザーボードとして間違いなく最高峰の1枚に挙げられるだろう。
小さいながら素敵にハイエンド。小型モデルのデメリットを感じさせない「Z87M GAMING」は、ゲーミングコンセプトのマシンにうってつけの1枚だ |
それでいて玄人のみが扱える上級モデルかといえばそうでもなく、「OC Genie 4」に代表されるお手軽さを盛り込むことで、初心者でも気負いなくチューニングを楽しむことができる。フルサイズのハイエンドモデルに匹敵するポテンシャルはそのまま継承、やや陳腐ながら入門からエンスー向けに至るまでをカバーできるマザーボードに仕上がっている。ストライクゾーンど真ん中のゲーミングマシンはもちろんのこと、本気で組むコンセプトマシンの“コア”には、こうした1枚をチョイスしたい。