エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.285
2013.12.08 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
何はともあれ、たいへんな貴重品である「Tou」が編集部に到着してまず驚いたのは、外装パッケージの大きさだ。これまで記憶に残る巨大外装箱は、Cooler Master「COSMOS II」、Rosewill「Blackhawk-ULTRA」、そして先日お送りしたPhanteks「Enthoo Primo Ultimate Chassis」の3モデルだが、それらにも負けず劣らず、「Tou」の外装パッケージは大きい。
化粧箱を保護する外箱との二重梱包をはじめ、内部両側面には木の板が挟み込まれている。さらに左右からの衝撃に備え、両側面の板に対する”突っ張り棒”の役割を果たす段ボール製の支柱(紙管)を用意。ポリエチレン発泡体(サンテックフォーム)との組み合わせにより、不測の輸送事故を未然に防ぐよう厳重に梱包されていた。
外装パッケージ両側面には、板(木製)が差し込まれ、ボディをガッチリとガード。さらに4本の支柱(紙管)が、両側面の板に対する突っ張り棒の役割を果たすという念の入れよう |
強化ガラスで覆われたPCケースだけに、輸送事故対策はクリアしなければならない大きな課題であったはずだ。これまでに見たこともないような養生から、メーカーの苦労の跡を窺い知ることができる。
In Win得意のデザインPCケース、その最新作となる「Tou」は、これまでのラインナップにはない、非常に特徴的な外観デザインが採用されている。PCケースと言えば通常長方形が定番だが、「Tou」のトップ面前後は船の舳先にも似て角度がつけられており、少々説明がしにくい。とにもかくにも画像で全体像を掴んで頂いた方がいいだろう。
どうしても筆者には「ショウリョウバッタ」に見えて仕方が無い。In Winのデザイナーは、どんなコンセプトから、このような近未来的スタイルに仕上げたのだろうか |
これまでにない近未来的デザインの「Tou」は、外装パネルに「強化ガラス」が採用されている。強化ガラスで思い出すのは、In WinのオープンフレームPCケース第3弾 「D-Frame」だ。斬新なアルミ製パイプ構造で人気を博したこのモデルにも、サイドパネルに強化ガラスが使用されていた。ちなみに「D-Frame」の4mm厚に対し、「Tou」では3mm厚を使用。トップとボトム以外の4面を埋めるように貼り付けられている。
PCケース全体の形を作り上げる骨組みの役割を果たし、さらに強化ガラスが固定されるフレームは「D-Frame」同様、ハンドメイドによる「砂型鋳造(sand casting)」が採用されている。剛性が高く、非常に頑丈なフレームは、アルミニウム製のマザーボードトレイ、トップ&ボトムプレートで構成。側面から観察すると、前後非対称デザインである事が分かる。
強化ガラスを全て取り外した「Tou」。「砂型鋳造」のフレームとアルミニウム製パネルで構成されている事が分かる。なお右側がフロントパネル方向。トップパネルの傾斜も実に特徴的だ | |
フレームに固定されているスタンドオフは、マザーボード固定に使われている台座同様、ネジ留め式により取り外すこともできる |