エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.286
2013.12.12 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて、オーバークロックの効果を確認するため「CINEBENCH R15」のスコアを確認してみることにしよう。
CINEBENCH R11.5(cb) |
CPU性能が直接影響するベンチマークということもあり、クロックが上がるに連れてスコアも綺麗に上昇していく。特に4.60GHz動作では、シングルコア約14%、マルチコア約16%と大幅にパフォーマンスが向上し、6コアCPUに準ずる性能を発揮する。ゲームだけでなく、動画エンコードやレンダリングのような重量級の操作をする場合には、積極的に活用したい。
最後にオーバークロックによって、どの程度消費電力に影響があるのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R15」動作中で最も高い値とした。
消費電力(W) |
アイドル時はCPUの省電力機能が効果的に働くため、消費電力はほぼ一定。また高負荷時は、定格動作よりも電圧が低目に設定されているAutoと4.00GHzで、逆転している点に注目したい。安定性を重視するなら、定格で運用するのもアリだが、バランスを考慮すると「Auto Tuning」を使い、最適な設定を導き出してやるのが得策といえる。ちなみに4.20GHz以降は、コア電圧への調整が入るため、大幅に消費電力が増加。特に4.60GHzでは92W増とかなりインパクトのある数値で、冷却性能には十分注意したい。
過剰装備になりがちなハイエンドモデルから、贅肉をそぎ落とし、「Killer E2200」による高速ネットワークや、高音質を追求した「Purity Sound」など、必要な機能に絞ることで、コストパフォーマンスを高めた「Fatal1ty Z87 Killer」。搭載コンポーネントや電源回路など、安定性や信頼性に関わる部分には妥協なく、長時間負荷のかかるゲームプレイでも安心して使用できる。
コストパフォーマンスを重視したASRockらしいテイストに仕上げられた「Fatal1ty Z87 Killer」 |
また高品質コンポーネントに支えられた、高いオーバークロック耐性とハイエンド製品に匹敵するチューニング項目は、オーバークロック派にもオススメだ。特にマザーボードの故障を厭わず高クロックを追求する極冷ユーザーには、ハイエンドの半額程度で購入できる「Fatal1ty Z87 Killer」は非常に魅力的な存在となるだろう。冬のボーナス戦線に合わせて、PCの刷新を検討しているなら、ぜひ候補に入れてほしい1枚だ。