エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.311
2014.03.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
最後のセッションでは、いよいよ冷却機器としての性能を知るべく、Blue LEDを内蔵する「ETS-N30-TAA」による性能テストを行う。今回のテストでは、CPUにIntel Core i7-4770Kを用意。検証環境は従来通りバラック状態とした。これはPCケースに組み込まない事で、熱篭もりの影響がなく、CPUクーラー本来の性能が見極められるためだ。
なお検証にはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使用。アイドル時は30分間放置状態、高負荷状態は30分間の最大値とした。なお測定モニタには「HWMonitor 1.19」を使い、CPU Core Packageの数値を採用している。
環境に依存しないバラック状態でテストを実行。検証時の室内温度は17.5℃で、湿度は56%だった |
今回は3.50GHzと3.90GHzの2パターンで、「OCCT 4.4.0」によるテストを行った。若干控えめと思われるかもしれないが、そもそも「ETS-N30」シリーズは、過剰なオーバークロック用途に見合った設計はされていない。これは最もユーザーの多い定格常用ユースに向けて用意されたCPUクーラーであり、高い冷却能力が必要ならば、上位の「ETS-T40」シリーズを選択すればいい。
CPUコア温度テスト ※室内温度17.5℃/湿度56% |
CPUコア温度を見ると、3.50GHz時ではアイドル時で34℃、高負荷時で64℃だった。この数値を見て不満はないだろう。また3.90GHz時では、アイドル時で33℃、高負荷時で77℃となり、最大で13℃のも差がつく結果となった。汎用CPUクーラーならば、もうちょっと冷えて欲しいという声があるかもしれない。しかしナロータイプのヒートシンクと、搭載ファンが92mm口径である事を考えれば、これも十分な結果ではないだろうか。
冷却ファン回転数テスト |
冷却ファンの回転数をモニタすると、3.50GHzのアイドル時で1.149rpm、高負荷時で2,376rpm。一方の3.90GHz時は、それぞれ1,194rpmと2,974rpmだった。アイドル時は1,227rpm上昇、高負荷時は1,780rpmの上昇になる。「ETS-N30-TAA」の回転数は公称800~2,800rpmだが、高負荷時だけ見比べると3.90GHz時でも±10%の範囲内に収まっている事が分かる。
ちなみに注目したいのは3.50GHz時で、まだまだ回転数は余力を残している。CPU温度は64℃だったことから、回転数を最大まで上昇させれば、理論上もう少し温度数値が下がる可能性がある。PWM制御はこの回転数と温度で頭打ちになる事から、この程度が適正という判断があるのかもしれない。