エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.313
2014.03.31 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
外観をくまなく眺め回したところで、ここからは実際に火を入れてのパフォーマンスチェックに移っていこう。まずメーカーチューンのアドバンテージを把握するため、テストにあたってはSAPPHIREオリジナルのカスタムツール「TriXX OC Utility V4.8.2」による調整で定格クロックを再現。出荷時クロックとの2本立てでベンチマーク計測を行うことにした。「R9 290X TRI-X OC」は、コアクロックだけでなくメモリもオーバークロックされているため、どれだけパフォーマンスがアップするか気になるところだ。
なお、テストには「バトルフィールド4」の動作テストも含まれるため、ドライバはMantle対応の最新ベータ版「Catalyst 14.3 Beta V1.0 Driver」を使用している。その他の環境は以下を参照していただきたい。
まず手始めに定番3Dベンチマークソフトの「3DMark」を実行。グラフィックスカードとしての総合能力を試してみよう。AMD最上位のハイエンドモデルであることから、テストプリセットはDirectX 11対応の「Fire Strike」と、最高レベルの負荷環境を想定した「Fire Strike」の“Extreme”をチョイスした。
Fire Strike | |
Fire Strike“Extreme” |
いずれの負荷環境でも総合スコアで約5%、Graphics Scoreでは約6%とオーバークロックの効果がハッキリと現れた。リファレンス比でのコアクロックアップは4%だが、「R9 290X TRI-X OC」はメモリ周りにも手が入れられているため、その違いがスコアにも影響しているようだ。
続いては、重量級の3Dベンチマークテスト「Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0」を使用して、純粋なGPUパフォーマンスをチェックしていく。プリセット設定はDirectX 9動作の“Basic”と、DirectX 11をフル活用した“Extreme”の2種類を選択した。
Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0“Basic” | |
Unigine Heaven DX11 Benchmark 4.0“Extreme” |
一般に3Dゲームにおける快適さの指標として60FPSでの動作が挙げられるが、どちらのプリセット設定においてもAverage FPSがターゲットをクリアしている点はさすが。一方でリファレンスとの比較に目を移してみると、“Basic”で5~6%ほどだったスコア差が高負荷な“Extreme”では6~8%まで拡大している。そもそもR9 290Xは「4K解像度への最適化」を謳うGPUのため、高負荷・高解像度環境になるほどクロック差の影響も大きいのかもしれない。