エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.313
2014.03.31 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて、ここまでひと通り動作テストを行ってきたが、ユーザーが「R9 290X TRI-X OC」に求めるものはパフォーマンスのみにあらず。果たして「TRI-X」クーラーはR9 290Xの発熱をどこまで抑えることができたのか、ベンチマーク中の挙動をチェックしてみよう。計測にあたっては「3DMark」“Extreme”プリセットの「Combined test」を10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定。「GPU-Z 0.7.7」によるGPU温度とファン稼働率の計測を行った。
GPU温度計測 | |
ファン稼働率計測 |
発熱が最大95℃に達するという悪名高いリファレンスモデルに比べ、「R9 290X TRI-X OC」の冷却パフォーマンスはさすがのひと言。「TRI-X」クーラーの効果は期待通りのもので、高負荷時でもリファレンス比で20℃近く発熱を抑えている。今回冷却ファンの回転数は検出できなかったのだが、その稼働率は最大でも44%と低く抑えられている。まだまだ潜在的な余裕を残しているのはもちろん、テスト中は極めて静粛に動作していたことから、より低騒音にフォーカスした設計になっていることがうかがえる。コア温度をある程度許容範囲に収めつつ、できるだけ騒音を抑えるというSAPPHIREのフィロソフィーは、ゲーマーにとっても幸いするハズだ。
なお参考までに定格クロックでの動作もチェックしてみたが、GPUコア温度やファン稼働率に大きな違いはなし。オーバークロックによる冷却面でのデメリットはあまりなさそうだ。
「R9 290X TRI-X OC」は750W以上の電源ユニットが推奨されるハイエンドモデルだけに、消費電力も忘れず把握しておきたい。特にオーバークロックがどれほど電力増に影響しているのか、ひと目見ておいて損はないだろう。計測にあたっては上記同様、高負荷環境に「3DMark」“Extreme”プリセットの「Combined test」を10分ループ、放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力計測 |
リファレンスクロックでの動作時と比べても、違いは約20Wと大差ない。300Wオーバーの消費電力自体はやや高めな気もするが、GPUの性格上ある程度はやむなし。ハイエンドグラフィックスカードを組み込む以上、電源容量はある程度確保されているハズなので、あまり大きな問題にはならないと思われる。