エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.321
2014.04.26 更新
文:GDM編集部 池西 樹
グラフィックス系ベンチマークの最後は、MMO RPG「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」。テスト条件はグラフィック設定を“標準品質”と“最高品質”にセット。解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンで計測を行っている。
標準品質 | |
最高品質 |
こちらも“標準品質”の1,280×720ドットなら“ふつう”で、ゲームプレイに問題なし。1,920×1,080ドットでも“やや重い”を獲得し、画質設定を若干調整してやればプレイできるレベルまで引き上げることができる。また1,920×1,080ドットでは、いずれの品質設定でもG1820Tを上回る点も評価ポイント。これまでの省電力向けプロセッサは、デスクトップ向けに比べると、パフォーマンス面でかなり見劣りしていたが、Athlon 5350ならローエンドモデルに近い体感速度で運用することができる。
マスタードシードで企画中とされる電源容量90WのACアダプタ。2系統のUSB充電ポートと11種類の変換コネクタが付属され、幅広い機器に使用できる |
最後に、気になる消費電力について確認しておこう。測定は「OCCT 4.4.0:PowerSupply」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最小値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーを使い計測を行った。なお「AM1H-ITX」はACアダプタ動作に対応していることから、今回はマスタードシードよりACアダプタを借り受け、合わせて消費電力を測定している。
消費電力(W) |
Athlon 5350の消費電力は、TDP65WのA4-6300との比較で29W減、TDP35WとされるG1820Tとの比較でも17.3W減とまさに圧倒的。アイドル時の消費電力も確実に削減されており、省電力性を重視するなら「AM1」プラットフォームは、まさにうってつけと言える。さらにACアダプタ駆動による省電力効果が、6.2Wとかなり大きい点にも注目したい。今回は80PLUS BRONZE認証の500W電源を使用しているが、より高効率な電源ユニットを購入するなら、ACアダプタ駆動を検討したほうが、手軽かつ安価に省電力化が狙えるだろう。また光学ドライブを取り外したり、メモリを1枚に減らすなどの工夫も消費電力を抑えるには有効な手段といえる。
新生「Athlon/Sempron」シリーズとしてデビューしたSocket版Kabiniだが、今回のテスト結果を見る限り、Windowsデスクトップの動作は上々。グラフィックス性能もライトなゲームであればプレイできるレベルで、これまでの省電力プロセッサの印象を大きく変えるポテンシャルを備えている。消費電力もデスクトップ版の省電力プロセッサより一段低く、ファイルサーバーや録画サーバーなどの常時起動PCから、サブアカウント向けのライトなゲームPCまで、幅広い用途で活躍できるだろう。
「AM1H-ITX」とAthlon 5350を組み合わせれば、省電力向けからライトゲームPCまで、幅広い用途での活躍が期待できる |
そして「AM1H-ITX」に目を向けると、Mini-ITXながら4ポートのSATA3.0(6Gbps)やminiPCI-Expressスロットを搭載するなど、「AM1」プラットフォーム向けマザーボードとしては最高クラスの拡張性を実現。さらにACアダプタへのネイティブ対応も図られるなど、正直欠点は見当たらない。実売7,980円という価格設定は若干高めだが、拡張性やACアダプタへの先行投資と考えれば十分許容範囲。「AM1」プラットフォームへの挑戦を考えるなら「AM1H-ITX」を選択しておけば間違いないだろう。