エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.322
2014.04.29 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて、「MASTERPIECE i1440」最大の特徴がCPUとGPUを瞬時にオーバークロックする「オーバークロックスイッチ」にあるという話は冒頭述べた通り。これまでも同様のギミックがなかったワケではないものの、そのほとんどはCPUのオーバークロックにフォーカスしたもの。ゲームといえばGPUパフォーマンスが重要となるのは言わずもがな、ここにも「G-Tune」ブランドのこだわりが見て取れるだろう。
また、スイッチを押すだけで“瞬時に”オーバークロックできる点が極めて珍しい。この手のギミックでは、システムやアプリケーションの再起動を要求されるのが一般的。開発担当者が「リミッターを解除してすぐさま性能が上がるのは“男のロマン”」と熱く解説する自慢の技術で、その情熱こそがこの機構を完成させたと言える。
現状「唯一無二」という、CPUとGPUを同時にオーバークロックする特殊ギミック。スイッチは電源ボタン脇に配置、中心の「OC」マーク部分を押下することで作動する |
なお、このオーバークロックギミックはCPUとGPUの両方を操作する関係上、マザーボードとグラフィックスカードを巻き込んだ大掛かりなものになっている。これはオリジナルのモニターツール「G-Tune OC Boost」を含め、MSIとの共同開発で実現した。そのためマザーボードとグラフィックスカードは、いずれも同社による特別仕様のモデルが組み込まれている。
OC状況は独自のモニターツール「G-Tune OC Boost」に表示される。OCスイッチを押すことで、CPUコアが3,600MHzから4,200MHz、GPUコアが1,006MHzから1,032MHz(高負荷時)へと瞬時にクロックアップしているのが確認できた |
「MASTERPIECE i1440」の採用するマザーボードは、Intel Z87 Express搭載のMSI「Z87-S03」だ。公式サイト上などに情報のない特別仕様のモデルだが、その風貌や搭載機能からも「GAMING Series」ベースのものであることが分かる。低遅延のゲーマー御用達ネットワークチップ「Killer E2205」や、サラウンドサウンドが楽しめる内蔵アンプ「Audio Boost」など、ゲーミングモデルに相応しい装備を満載している。
ドラゴン型のヒートシンクなど、「GAMING Series」の面影を残したMSI製マザーボード「Z87-S03」。搭載するゲーミング機能もさることながら、ブラックとレッドのカラースキームが筐体とよくマッチしている | |
「CPU-Z」でマザーボード情報をチェック。基板上のシリアル印刷と同じく、モデル名は「Z87-S03」となっている |
「MASTERPIECE i1440」が搭載するグラフィックスカードは、水冷クーラーに換装されたGeForce GTX 780だ。オーバークロックギミックと連動して動作するよう調整された、MSIによるカスタム仕様。こうしたシステム構築は、ゲーミングにフォーカスしたグラフィックスカードとマザーボードの両方を手がけるMSIならではといえる。
CPUと合わせてデュアル水冷環境を構成する、水冷クーラー搭載のGeForce GTX 780グラフィックスカード。MSIの調整により、OCスイッチの作動でCPUに連動してGPUコアが上昇する仕組みになっている |