エルミタ的一点突破 Vol.32
2014.05.10 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからはNoctua「NH-D15」の冷却機器たるその実力を、各種テストにより検証していこう。なお今回のテストに使用した機材、およびレギュレーションについては、以下を参照頂きたい。
冷却テストレギュレーション |
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1)マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する 2)検証にはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使用。高負荷状態30分経過時の温度を計測 3)温度計測には「HWMonitor」を使用。数値は「Package」最大温度 4)騒音値は、冷却ファンから30cmの距離で計測 |
CPU温度(室内温度17.5℃/湿度44%) 3.50GHz:1.12V/4.20GHz:1.22V/4.4GHz:1.31V |
今回は3.50GHzと4.20GHz、さらに4.40GHzの3パターンでCPU温度計測を実行した。まず3.5GHzではアイドル時27℃に対し、高負荷時は58℃を計測。ハイエンドクラスの大型サイドフローだけあって、50℃台に収められている。次に4.20GHzにクロックを上げたところ、高負荷状態で66℃を計測し、8℃上昇。さらに4.40GHzにすると78℃となり、定格よりも20℃の上昇という結果だった。敢えて比較対象は出さないが、若干辛い数値が出る傾向にある検証機材のGIGABYTE「Z87-D3HP」と「HWMonitor」の組み合わせでも、十分良好な計測結果を得る事ができた。このテスト結果から、「NH-D15」は見た目に違わず冷却能力は非常に高いと言えるだろう。
十分満足のいく結果に気をよくしたところで、今度は付属の冷却ファン回転数減速ケーブル「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)を使い、最大1,500rpmの冷却ファンを最大1,200rpmに落として温度状態をチェックしてみよう。
CPU温度(室内温度17.5℃/湿度44%) 「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)使用時 3.50GHz:1.12V/4.20GHz:1.22V/4.4GHz:1.31V |
そもそも高クロック状態で高い冷却を期待する大型CPUクーラーにおいて「静音動作」は、やや相容れないようにも思えるワケだが、Noctuaは付属品に「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)を欠かさない。さて結果を見ると、最大回転数が低くなるだけにさぞや冷却能力が落ちるだろうと思いきや、大きく変わる事がなかった。
3.50GHz時で標準58℃に対し59℃(+1℃)、4.20GHz時で標準66℃に対し68℃(+2℃)、4.40GHz時で標準78℃に対し81℃(+3℃)となり、最大で3℃しか上昇していない。この結果から、ヒートシンクの性能が高いだけに、風量が若干落ちたところで冷却に大きな影響は無いという事が分かった。
なお参考までに、「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)を接続した場合の最大回転数は、3.50GHz時で969rpm(32.4dBA)、4.20GHz時で1,054rpm(32.8dBA)、4.40GHz時で1,165rpm(33.4dBA)だった。
冷却ファン回転数(室内温度17.5℃/湿度44%) 3.50GHz:1.12V/4.20GHz:1.22V/4.4GHz:1.31V |
ベンチマークテスト実行時における「NF-A15 PWM」の回転数をチェックしておこう。ここでは最大回転数に注目したい。ちなみにアイドル時は611rpm~620rpmだった。
まず3.50GHzでは1,134rpmとなり最大回転数1,500rpmまでは、まだまだ余力を残している。次に4.20GHzでは1,295rpmで、このクロックでも余裕を見せている。さすがに4.40GHzでは1,558rpmまでフル回転状態になるものの、挙動は総じて140mm口径の大風量のアドバンテージを感じさせるものだった。