エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.336
2014.06.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからは冷却機器としての真価が問われる、テストセッションだ。そのコンセプト通り、ハイエンド志向のオーバークロックメモリと共存できる事を証明した「Nic N31」。一方でナローデザインの放熱フィンは、放熱面積の縮小を意味し、直接冷却能力に影響を及ぼし兼ねない。「ナローデザイン=単なる小型化」であってはならず、多少のスリム化でも平均レベル以上の冷却能力は確保して欲しいという、虫の良いリクエストには応えなければならないだろう。
今回のテストはCPUにIntel LGA1150のCore i7-4770Kを用い、マザーボードに組み込まない状態で各種検証を行う。検証にはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使用し、高負荷状態30分経過時の温度を計測。数値は「HWMonitor」の「Package」最大温度とした。
冷却テストレギュレーション |
---|
1)マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する 2)検証にはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使用。高負荷状態30分経過時の温度を計測 3)温度計測には「HWMonitor」を使用。数値は「Package」最大温度 4)騒音値は、冷却ファンから30cmの距離で計測 |
今回の検証では、3.50GH/3.90GHz/4.20GHz/4.40GHzの4パターンで計測を行った。早速冷却機器で最も重要となるCPU温度結果を見ていくと、アイドル時は35~37℃近辺をウロウロ。注目の高負荷時は、3.50GHzで65℃、3.90GHzで72℃(7℃上昇)、4.20GHzで77℃(5℃上昇)、4.40GHzで88℃(11℃上昇)だった。さすがにオーバークロック向け空冷ハイエンドクーラーに比べれば若干温度は高いものの、全高140mmの120mm口径ファン搭載モデルとしては十分な冷却能力と言えるだろう。
CPU温度(室内温度25℃/湿度62%) |
次に冷却ファンの回転数をチェックしてみる。標準搭載される120mm口径ファンの公称スペックは500~1,800rpmである事を念頭に確認すると、アイドル時はどのクロックでも900rpm台で、公称500rpmより若干高い数値を示した。とはいえ十分静音状態は保たれている事から、全く気にすることはないだろう。
次に最大回転数だが、3.50GHzで1,548rpm、3.90GHzで1,558rpm(10rpm上昇)、4.20GHzで1,730rpm(172rpm上昇)、4.40GHzで1,781rpm(51rpm上昇)だった。公称最大回転数の1,800rpmには近い数値で、スペック上の問題はない。またクロックの違いによる最小値と最大値の回転幅は233rpmだが、温度上昇に合わせてスムーズな挙動をみせている。
冷却ファン回転数(室内温度25℃/湿度62%) |