エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.342
2014.07.23 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いてベンチマークテストを使い、オーバークロックの効果をチェックしていくことにしよう。まずは定番CGレンダリングソフト「CINEBENCH R15」を確認する。
CINEBENCH R15(cb) |
Core i7-4790Kは定格時でもTurboBoost機能により、4.40GHzまで動作クロックが向上するため、シングルコア時は4.40GHzとまったく同等のスコア。4.70GHzとの比較でも約5%と性能差はあまり大きくない。一方、マルチコア時は4.40GHzとの比較で約4%、4.70GHz時は約11%と大きくスコアが向上する。レンダリングやエンコードなど、マルチスレッドの作業が中心の場合にはオーバークロックを検討してみるといいだろう。
続いて定番3Dベンチマークソフト「3DMark」にて、グラフィックス性能への影響を確認しておこう。ちなみにプリセットは「Fire Strike」を選択している。
3DMark Fire Strike |
「CINEBENCH R15」のシングルコアテストと同じく、定格と4.40GHzではほとんどスコアに変化なし。ただし4.70GHz駆動では、Physics scoreで約6%、総合スコアもわずかにではあるが上昇している。標準的な運用であれば誤差の範囲内といえるが、チューニングによりギリギリまでスコアを追求するオーバークロック大会では、無視できない違いとなるだろう。
最後に、オーバークロックによる消費電力への影響を確認しておこう。計測にあたっては「3D Mark」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
アイドル時と高負荷時の消費電力(W) |
「OC Genie 4」、手動設定のいずれも省電力機構をOFFにしているため、アイドル時でも消費電力はやや高め。また高負荷時は「OC Genie 4」で約20W、コア電圧を1.380Vに設定した4.70GHz時は約90Wと大幅に上昇している。とは言え、オーバークロック向け製品で、消費電力を追求するのは少々ナンセンス。それよりも90Wと大幅に消費電力が増加しているにも関わらず、定格と変わらず安定動作を続ける「Z97 MPOWER MAX AC」の電源回路の堅牢さを評価するべきだろう。
“Devil’s Canyon”の登場により、ようやくその真価を発揮できるようになったオーバークロック向けマザーボード。その中でも「Z97 MPOWER MAX AC」の完成度の高さは秀逸だ。12フェーズという豊富な電源フェーズと、高品位なコンポーネントで構成された電源回路により、高電圧状態でも安定動作が可能。さらにこれまでにない幅広いBCLK設定が可能な「OCエンジン」や、起動時の安定性を向上させる「スローモード」を始めとした、充実のオーバークロック機能は、エンスーの厳しい要求にも応えることができる。
充実した電源回路を備え、クラス最高レベルの安定性を謳う「Z97 MPOWER MAX AC」なら、ゲーミングPCや重量級のアプリを扱うハイエンドPCにもマッチする |
さらに「GAMING Series」に匹敵する高音質サウンド回路「Audio Boost」や、Intel製ギガビットLAN、IEEE 802.11a/b/g/ac無線LAN、Bluetooth 4.0の3系統ネットワーク機能など、基本性能も充実。オーバークロック用途だけでなく、ゲーミングPCや重量級の作業を行うハイエンドPCのコアとしても十二分にその力を発揮してくれることだろう。