エルミタ取材班が行く
2014.08.04 更新
文:GDM編集部 Tawashi
1F搬入倉庫。見学時には“大物”のPCケースや液晶ディスプレイなどが山積みにされていた。比較的小さな荷物は、到着次第、次々とエレベーターを使って2Fや3Fへと運ばれる |
さて、いよいよ見学ツアーのスタートだが、まずは「綾瀬事業所」の内部構造について確認しておこう。見学ツアーのスタート地点になる1Fは、大型トラックが何台も横付けできる搬入・搬出倉庫。2Fが生産・流通拠点となるPC工場。3Fがドスパラと上海問屋の物流・配送センターだ。見学ツアーは、入庫された部材と同じルートをたどって、出荷となるゴールの1F搬入・搬出倉庫まで再び戻ってくるコースを実際に歩いて体験することができた。
ENERMAXやAntec、ZALMANといった人気ブランドのPCケースが見たこともない数で積み上げられている |
1Fの搬入倉庫には、午前中の多い時で荷物を満載した8台ほどの11トントラックが到着。約300坪という広大な倉庫は、一時PCパーツでいっぱいになる。とはいえ、この場所に保管されているのはPCケースなどの大型部材で、長くても半日程度。小型のPCパーツ類は専用エレベーターを使い、わずか1分~2分で2Fへと運び込まれる。ちなみに搬入・搬出管理は、その道のプロである日本通運のスタッフが担当する。
2Fにあるサードウェーブデジノスの倉庫には700種類、20万点の荷物がある。これらの荷物は荷ほどき前のもので、このあとピッキングエリアと移動していく |
従来であれば、届けられた部材を満載する荷物用エレベーター(積載量3,000kg)に載り、「綾瀬事業所」の中枢へと足を踏み入れる。扉が開くと、目の前に広がるのは、再び巨大な倉庫と大量のPC関連パーツ。1Fから上がってきた部材は、ここで「綾瀬事業所」の倉庫へと納められる。実にその数は700種類、20万点になるという。
ここからがピッキングエリア。まずは倉庫の荷物を開封する荷ほどき作業を行う |
倉庫エリアに隣接してあるのが、ピッキングエリアと呼ばれる場所だ。床に引かれた白線(事業所内では動線と呼ぶ)を境に、ここから一気にスタッフの数が増えてくる。このエリアでは、まず倉庫の荷物を開封し、入庫チェックを実施。事業所内で管理できるようにバーコードを貼ってシステムに登録、次のピッキングエリアへと運んで行く。
ひとつずつ部材を確認しながら行う入庫チェック。バーコードを貼ってシステムに登録をしていく、いわば入国管理をする重要なセクションだ |
ピッキングエリアでは、PCの製造に必要なパーツを集める作業が行われる。スタッフは、液晶ディスプレイとバーコードリーダーを備えた専用カートを押しながら、PC1台分の細かいパーツ類を迅速に集めていく。すべてバーコードで管理され、一方通行のルートを迷うことなく集められていく仕組みは無駄がない。ここで集められた箱は、いよいよ製造エリアへと運ばれていく。
各部材を集めやすいようにカスタムされた専用カート。バーコードリーダーの収納ボックスがAMD FXシリーズの缶パッケージというところが、なんとも微笑ましい | |
無駄のない動きで手際よく専用カートにパーツを入れていく |