待望のグラフィックスカード用水冷ブラケット「Hydro Series HG10」
- 編集部:
やはりきたか、という印象でした。まずは開発の理由から聞かせてください。
- George氏:
ユーザーからの希望もありましたし、グラフィックスカードの水冷というテーマは長年社内でも持ち続けていました。ただ、それを後押ししたのは、昨年10月に発売されたRadeon R9 290X搭載グラフィックスカードの存在です。シングルGPUとしては非常に優れた製品ですが、ご存知のように、とにかく冷却機構がよくない。それを解決する冷却アイテムは必要だと考えていました。
- 編集部:
似たような製品としてNZXT「KRAKEN G10」があります。違いはどのあたりでしょう?
- George氏:
「Hydro Series HG10」では、冷却ファンにリファレンスカードに搭載していたものを流用します。さらに水冷化で見落としがちな、メモリや電源周りの冷却も一体型のプレートを採用することで解決しています。ですから別途、チップ用の小型ヒートシンクなどを用意する必要はありません。
- 編集部:
AMD製GPU用「HG10 A1 Edition」とNVIDIA製GPU用「HG10 N1 Edition」の2つがラインナップしていますが、今後も発売は継続する予定ですか?
- George氏:
AMD、NVIDIAともに新しいハイエンドGPUがリリースされたあと、「HG10 A1 Edition」は「HG10 A2 Edition」へと、「HG10 N1 Edition」は「HG10 N2 Edition」へとアップデートしていきます。なお、発売は「HG10 A1 Edition」が先になる予定です。2~3週間後に「HG10 N1 Edition」を発売できるはずです。
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今後は新GPUがリリースされるたびにアップデート予定の「Hydro Series HG10」。CPU用に購入したものが、そのまま流用できるというのはありがたい |
- 編集部:
では最後に日本の自作ユーザーにメッセージをお願します。
- George氏:
PCケースだけに限った話ではなく、CORSAIRの製品に対するコンセプトは安いものを作ってどんどん販売するというよりは、クオリティーの高い製品を作ってユーザーのデマンドにしっかり対応していく、という点にあります。お客さまに欲しいと思わせるような製品を作る、というのがCORSAIRのDNAでありスタンスです。
我々はユーザーからのフィードバッグを大切にして、製品開発に役立てています。ですから日本市場からも積極的に、意見を言っていただければと思います。そして、いつかは日本市場に特化したモデルも是非発売したいと考えています。
見据える先は数年後のPCケース市場シェアNo.1
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両手に持つ新作PCケースが、なんだかとても小さく見えるのはご愛嬌。いつもニコニコ。実にオープンな印象のGeorge氏は、CORSAIRが誇るエンスージアスト代表のスタッフだ
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昨年5月に実施したCORSAIRへのインタビューで、同社のSenior Vice President of SalesであるBertrand Chevalier氏が、ケース市場参入の理由を「スタッフの多くが自作PCのエンスージアストのため、自分たちが欲しいというケースを作りたかった」と語っていたのを思い出した。今回お話を伺ったGeorge氏は、まさにCORSAIRを代表するエンスージアストといった印象で、ビックサイズのボディを揺らしながら楽しそうに語るエピソードの数々は実に面白い。「あぁ、本当にこの人は自作PCが好きなんだなぁ」とつくづく感じた次第だ。
そんなGeorge氏が、開発を牽引するCORSAIR製PCケース。幅広いユーザー層から支持されるのも当然といったところで、今後もますますケース市場での勢いは増していくだろう。にこやかに笑いながらも「目指す先は、数年後のPCケース市場シェアNo.1」と語る姿には、真っ直ぐにユーザーと向き合ってきた手応えと自信がうかがえる。創立20周年を迎えたCORSAIR。快進撃は止まりそうにない。
協力:CORSAIR
株式会社リンクスインターナショナル