エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.352
2014.08.31 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
低発熱と低消費電力をウリとする「ZBOX CI520 Win 8.1 with Bing」、果たして負荷のかかるベンチマーク中はどのように動いていたのだろうか。最後はベンチマーク中のプロセッサ温度と消費電力を振り返り、テストを締めくくろう。
「OCCT 4.4.0」の“PowerSupply Test”を実行した際の最も高い数値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定して計測を行った。
プロセッサ温度計測(℃) | |
消費電力計測(W) |
CPUとGPUの両方に負荷がかかった状態でも、冷却ファンに頼ることなく70℃台半ばを維持できているのはさすが。アイドル時も安定して40℃台半ばで動作しており、ハニカムメッシュ仕様の筐体デザインが図にあたった格好だ。消費電力もアイドル時でわずか7W、高負荷時でも30W程度であり、「ZBOX CI520 Win 8.1 with Bing」のコンセプトが結実したようなテスト結果になった。
さすが小型PCの世界では長年のノウハウをもつZOTAC、自信をもって投入したという「ZBOX C」シリーズの完成度は見事だった。127mm四方の手のひら大ボディにより“あらゆる場所に設置できる”という自由度と、完全無音を実現したファンレス設計。さらに普段使いはもとより、設定次第でゲームプレイまでこなしてしまう。これに“0円Windows”ことWindows 8.1 with Bingが加わり、3~4万円ほどで完成形のPCが買えてしまうのだから驚きだ。何やらこれまで以上にPCとの距離感が縮まった印象がある。
もちろんハイエンドなデスクトップPCがもたらすパフォーマンスは魅力的だが、万人がエンスー志向というワケではなく、さらに所有PCのすべてが一線級である必要はない。そんな時に、買ってすぐある程度以上に働いてくれる「ZBOX CI520 Win 8.1 with Bing」のようなマシンがあればどうだろう。性能重視な自作ユーザーにとっても、2台目、3台目の選択肢として面白い存在になってくれそうだ。
設置場所も自由で、とにかく扱いやすいミニマムPC。ライトユーザーならそのままメイン機に、性能重視なエンスー向けにもアチコチで役に立ってくれそうだ |
そして超小型サイズながら、極めて充実した周辺機能も要チェック。不足なく並んだインターフェイスに加えてワイヤレスネットワークも完備、もはやライトユーザーにはこれで十分と思わせるだけの使い勝手が備わっている。役割や使い方は違うかもしれないが、ライトからエンスーまで、それぞれのPCライフにしっくり溶け込んでくれそうなマシン、そんな立ち位置が「ZBOX CI520 Win 8.1 with Bing」の一番の魅力かもしれない。