エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.360
2014.09.25 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
MSI「X99S GAMING 7」 実勢売価32,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
新ソケット「LGA2011-v3」を引っさげ、Intel X99 Express搭載マザーボードがデビューしたのは8月末のこと。「Haswell-E」こと最大6コア12スレッド動作の「Core i7-5000」シリーズに対応する新プラットフォームで、ハイエンド向けとしてはIntel X79 Express(IvyBridge-E)以来、実に3年ぶりの更新となった。
ソケットは従来との互換性がなく、メモリも新世代DDR4へ移行するなど構成は一新。一式買い構成次第では20万円オーバーと価格面でも貫禄十分だが、待ち望んでいたエンスージアストも多かったようだ。デビュー以来、CPUとマザーボード、ともに売れ行きは好調と聞く。
新型ソケットや初のDDR4メモリサポートなど、完全に生まれ変わったハイエンドプラットフォーム。好調の「Haswell-E」に加え、サーバー向け「Haswell-EP」も相次いでデビューした |
また、9月に入ってからは、追いかけるように「Haswell-EP」ことLGA2011-v3プラットフォームのサーバー・ワークステーション向けCPU「Xeon E5 v3」シリーズも登場。最大18コア/36スレッドという上級者垂涎のウルトラハイエンド環境が構築できるとあって、MSIはじめメーカー各社も早々と対応BIOSをリリース。にわかにIntel X99 Express搭載マザーの存在感が高まってきた。これまでハイエンドプラットフォームに縁がなかったというユーザーの中にも、構成次第で挑戦してみたいという興味津々な人は多いハズだ。
「Haswell-EP」もIntel X99 Express搭載マザーで動作する。MSIからは早々に対応BIOSが登場、最大36スレッドというモンスター構成のベースに使用することもできる |
新プラットフォームのゲーミングマザーの中で、一際手を伸ばしやすいモデルがこの「X99S GAMING 7」。充実の機能を搭載しつつ、Z97チップ搭載モデルに1万円ほど足せば購入できる |
そして久しぶりに登場したこのハイエンドプラットフォームに対し、MSIは「OC」「GAMING」「CLASSIC」の3本柱から選りすぐりのモデルを投入。その中で国内向けに発売された「GAMING Series」のゲーミングマザーボードが、今回の主役「X99S GAMING 7」だ。
同クラス製品の中では比較的お手頃な価格設定が魅力だが、最強レベルのゲーミングパフォーマンスを支える機能群はいささかも見劣りしない。「x16x16」帯域での全開SLI/CrossFireX環境が構築できるのはもちろん、最大で4-Way構成のSLI/CrossFireXをサポートするなど、マルチグラフィックス対応は万全。さらに低遅延&広帯域を誇るネットワークチップ「Killer E2205」や独立設計の高品質オーディオ回路「Audio Boost2」、高レスポンス&高耐久の「ゲーミングデバイスポート」といった、「GAMING Series」ならではの贅沢な装備が満載されている。
「GAMING Series」のトレードマークである、ドラゴンが意匠されたパッケージ。従来モデルと共通の一貫性のあるデザインが採用されている | |
強力なマルチGPUサポートや“Killer NIC”、高速M.2スロットなど、アピールポイントはパッケージ裏に。付属品には通常のケーブルに混じって、ドアノブハンガーなどのユニークなアイテムが同梱されている |
また、M.2やSATA Expressをサポートする強力なストレージ群も見逃せない。特にM.2スロットはPCI-Express3.0(x4)の帯域を利用した「Turbo M.2」を実装、これまで一部のモデルしか対応しなかった32Gbpsの高速動作を可能にしている。Intel X99 Expressの大きなトピックでもあるDDR4メモリは最大3,333MHzに対応し、最大64GBのモジュールをクアッドチャンネル構成で動作させることが可能だ。
そのほか、湿度・静電気・電磁波からハードウェアを守る回路保護機能「GUARD PRO」を筆頭にした、MSI製マザーボードらしい高い信頼性も大きな特長といえる。米国防総省の定めた軍事規格をクリアするお馴染みの「ミリタリークラス4」にも準拠、(コスト面からも)長く付き合いたいハイエンドプラットフォームのベースにはピッタリな1枚だ。