エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.361
2014.09.28 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
MSIが手塩にかけてアップグレードを重ねてきた、ハイパフォーマンスクーラーの歴史。「Twin Frozr V」はその最新モデルとなる |
「GTX 970 GAMING 4G」の搭載する最新世代のオリジナルクーラー「Twin Frozr V」。その最大のトピックとなるのは、冒頭述べた通り「Zero Frozr」によるセミファンレス動作になるだろう。60℃以上ではファンが回転するものの、それを下回る負荷の軽い状態ではファンが停止。無音で動作するというものだ。しかしこの新型クーラーには随所に新要素が盛り込まれており、「Zero Frozr」以外にも見るべき点が多い。ここでは「Twin Frozr V」を掘り下げて、注目の機能の数々をチェックしていこう。
「Twin Frozr V」が搭載するデュアルファン。注意深く確認すると、異なる2タイプのブレードを採用しているのが分かる |
まず「Twin Frozr V」が搭載する2基の100mm径ファンが新しい。よく顔を近づけて見れば、形状の異なる2タイプのブレードが交互に並んでいることが分かるだろう。これは「トルクスファンテクノロジー」と名付けられた新設計のファンで、分散ファンブレード(Dispersion Fan Blade)が最大効率の吸気を生み出し、従来型のファンブレード(Traditional Fan Blade)がヒートシンクへの風圧を最大化する仕組みになっている。これにより従来の「プロペラブレードファン」から、風量は19%も向上することになった。
役割の異なる2タイプのブレードを組み合わせる「トルクスファンテクノロジー」。風量を大幅アップさせつつ、騒音も抑えることに成功した | |
「トルクスファン」を駆動させている、6pinファンコネクタと分岐した2pinコネクタ |
また、その風を受けるヒートシンクにも技あり。2本の8mm径ヒートパイプ「スーパーパイプ」に2本の6mm径ヒートパイプを組み合わせ、それらをS字とU字に配置した「SuperSU」アーキテクチャが採用されている。それぞれのヒートパイプは、GPUダイに直接接地する大型の銅製受熱ベースに直接ハンダ付けされ、GPUの熱をもれなく吸収。素早く効率的にヒートシンク全域へ熱を移動させている。