エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.365
2014.10.20 更新
文:GDM編集部 池西 樹
パフォーマンスベンチマークが一段落したところで、ここからは新生クーラー「JetStream」のポテンシャルを確認していこう。「3DMark」実行時の最大値を高負荷時、起動直後10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定している。
GPU温度温度(℃)/室温25.4℃ | |
ファン回転数計測(rpm) | |
騒音値計測(rpm)/室内ノイズ32.1dBA |
アイドル時のGPUコア温度が50℃前後とやや高めなのは、もちろんファンレス駆動のため。Windowsの基本操作で、ここから大きく温度が上昇することはなく、通常作業であればほぼファンレスでの動作が期待できる。続いて、高負荷時の結果を確認すると、「OC」時でも回転数は約40%前後の1,500rpm以下、GPU温度は80℃を超えることはなく、「JetStream」の冷却性能にはまだまだ余力があることがわかる。
また騒音値を確認すると、高負荷時は概ね40dBA前半で推移。ファンレス時に比べると当然ノイズは増えるものの、耳障りに感じることはなく、PCケースに収納してしまえば充分押さえ込めるレベル。ちなみに、ファンレスにも関わらずアイドル時に騒音値が若干上昇しているのは、CPUクーラーのノイズを拾ってしまっているためだ。
ベンチマークテストのラストとして、消費電力を確認しておこう。測定は「3DMark」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最小値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーを使い計測を行った。
消費電力(W) |
アイドル時の消費電力は、省電力機構が働くため動作クロックに関係なく横並び。高負荷時でも消費電力の違いは約10Wしかなく、オーバークロックによる影響は軽微。VGAクーラーや電源回路も優秀な「970 JetStream」なら、積極的にオーバークロックに挑戦して問題ないだろう。
今回はPalitブランドのハイエンドグラフィックスカード、「GeForce GTX 970 4GB JetStream OC」にスポットを当て、検証を進めてきた。3スロットを必要とする厚さには賛否両論あるだろうが、それによってもたらされる高い静音性や、冷却性能などメリットが大きいのも事実。また標準的なATX/MicroATXにスッポリと収まる247mmというカード長は、ミニタワーのようなコンパクトケースを使用している人だけでなく、内部配線の取り回しが苦手なユーザーにとっても魅力的な存在だ。
速い・静か・安いと三拍子揃ったGeForce GTX 970グラフィックスカード。ミドルレンジやアッパーミドルとの価格差も小さく、アップグレードには最適な1枚となるだろう |
さらにセミファンレス駆動に対応する新設計「JetStream」クーラーや、オーバークロックにも耐えられる堅牢な電源回路など、イマドキのハイエンドグラフィックスカードに求められる装備も充実。それでいて価格は、GeForce GTX 970搭載モデルでは最廉価帯に位置づけられており、コストパフォーマンスも優秀。ミドルレンジやアッパーミドルからのステップアップにもオススメの1枚となるだろう。