エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.369
2014.11.04 更新
文:フリーライター・石川ひさよし
最後は「ATTO Disk Benchmark 2.47」を使い、シーケンシャルアクセス性能を確認しておこう。
ATTO Disk BenchMark 2.47 |
「ATTO Disk BenchMark 2.47」による最高転送速度は、読込519.971MB/sec、書込450.611MB/secだ。やはり書込に関しては公称スペックよりも高い。ただし、1024KB~4096KBまでの3つが同じスコアであるため、キャッシュのヒットなどの好条件が重なったとして、このあたりが製品の書込帯域の上限と考えられる。
「M6S」シリーズは、メインストリーム向けとして十分なパフォーマンスを示している。HD Tune Pro 5.50のテストに関しては、一時的にアクセスタイムがかかったり、一時的に転送速度が落ちることもあったが、全テストを通じてみれば、それが極稀な現象であることは分かる。また、SSD黎明期のプチフリのような現象とは大きく異なり、ミリセカンドレベルであるため、普段の使用に関して言えば体感できるほどではない。ハードウェア環境によって左右される事もあり、今後ファームウェアバージョンで改善される事も期待できる。
ハイエンド製品に迫るパフォーマンスを示した「M6S」シリーズ。HDDや初期のSSDからのアップグレードに最適と言える |
「M6S」シリーズが大きく打ち出しているのは「アップグレード」だ。HDDからSSDに乗り換えた際のパフォーマンスの向上は言うまでもないが、SSDとしても初期の製品と現行の製品では大きく異なる。インターフェースがSATA 3.0(6Gbps)に向上したことはもちろんだが、現在はそのインターフェースの上限に近いところでハイエンドモデルとメインストリーム向けモデルが競い、さらに4Kや4K QD32といったランダムアクセスでのパフォーマンスを競っている。そうしたなかで、「M6S」シリーズはMarvell「88SS9188」コントローラの性能を独自ファームウェアで引き出し、高速な転送速度を実現している。
価格で見ると、PX-256M6Sは1万5,000円前後、PX-128M6Sは1万円前後と、確かに各社のメインストリーム向けSSDと太刀打ち出来るコストパフォーマンスだ。現在のPLEXTORではこの下のクラスが空白だが、その点はパフォーマンス面を重視しているともとれる。コストパフォーマンスは、コストだけでなくパフォーマンスも重要だ。そのバランスという点で、「M6S」シリーズは高く評価できるだろう。