エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.383
2014.12.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
2012年8月にデビューを果たした「Define R4」から2年以上が経過し、ついに新作「Define R5」が投入された。エルミタでは、Fractal Designの国内上陸前となる2010年5月に、いち早く「Define R2」の検証を行ったが、その後順調に「R3」「R4」とリリースを積み重ね、このほど「R5」まで進化を遂げた。
Fractal Design「Define R5」 Black Pearl(型番:FD-CA-DEF-R5-BK)/Titanium Grey(型番:FD-CA-DEF-R5-TI) Arctic White(型番:FD-CA-DEF-R5-WT) 市場想定売価税抜各17,000円前後(発売中) 製品情報(Fractal Design)(株式会社アスク) |
Fractal Designの代名詞的存在であり、看板モデルの「Define」シリーズだが、実は既存モデルから外観デザインに大きな変更は加えられていない。フロントパネルはフルフラットなデザインを採用する開閉ドア式で、両側面に外気を取り入れる通気孔を装備。サイドパネルやトップパネルには冷却ファン増設スペースを設け、エアフローを強化する事もできる。洗練されたスカンジナビアデザインと呼ばれるそのスタイルは、日本国内市場のみならず、世界各国で絶大なる支持を集めている。
外観デザインに大幅な変更はなく当初のイメージを踏襲しながら、今なお人気の「Define」シリーズ。新作「R5」も例外ではなく、そのコンセプトは一貫して「静音」だ。
とはいえ、PCケースにおける「静音」は、もはや特別なキーワードではない。どんなに安価なPCケースでも、低速回転の冷却ファンを標準装備すれば、静音モデルが完成する。つまり単なる「静音」ではライバルモデルと差別化させる事は難しく、最近では、言わずもがなと「静音」を謳わないPCケースも増えているのが現状だ。そんな中、変わらず「静音」を筆頭キーワードに「R5」まで進化させた「Define」シリーズへの期待度は依然高い。その理由は決して低速回転の冷却ファンに頼らない「遮音設計」と、無駄な音を漏らさない「工作精度」の高さにある。外観デザインに大きく手を加えず、内部設計の改良を積み重ねて、完成度を高めていく。「Define」シリーズはこのようにして「熟成」されていく進化するPCケースと言えるだろう。
また前作「Define R4」から2年もの歳月を必要としたのは、Fractal Design社の「ユーザー様の意見に耳を傾け、それを製品デザインに反映させる」という理念にある。成功を収めた「Define R4」に対する声と、そのリクエストに応えた結果、「Define R5」が誕生した。
「R5」へと進化した「Define」シリーズ。ここでスペック表を確認しておこう。外形寸法は幅232×奥行き521×高さ451mmで、前作「Define R4」(W232×D523×H464mm)に比べ、幅は同一、奥行きが2mm短くなったものの、高さは7mmサイズアップ。ちなみに重量は前作の12.3kgに対し、11.2kgと僅かに1.1kgの差があるのみ。改良を積み重ねたとはいえ、大きな違いはない。
カラーバリエーションはBlack Pearlに加え、Titanium Grey、Arctic Whiteの3色がラインナップする |
対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITXで、オプションの電源ユニットはATX規格に準拠。その他、標準搭載される前後各1基の冷却ファンは「Define R4」に搭載されていた「Silent Series」の140mm口径ファンに代わり、新たに風量・騒音比率が最適化された「Dynamic GP14 140mmファン」が搭載されている。