エルミタ的一点突破 Vol.35
2015.01.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹(テストセッション)
92mm口径ファンをヒートシンク側面にマウントさせた、オーソドックスなスタイルの「NH-U9S」は、2013年8月に検証を行った「NH-U14S」と、「NH-U12S」の兄弟モデルという位置付け。いわゆるナロータイプ放熱フィンを採用し、隣接するメモリスロットとの物理的干渉を避ける非対称デザインのCPUクーラーだ。
対応フォームファクタはIntel LGA2011(v3)/1156/1155/1150 、AMD Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+で、「NH-D9L」同様、Mini-ITXマザーボードへの搭載を想定。外形寸法はW95×D95×H125mm、重量618gとされている。なおこのモデルも冷却ファン増設用ワイヤークリップが付属し、92mm冷却ファンデュアル駆動にも対応する。
一見オーソドックスなサイドフロー型CPUクーラーに見える「NH-U9S」 |
「NH-D9L」とは違い、ヒートシンクは1ブロック構成。アルミニウム製放熱フィンは43枚スタックで、ニッケルメッキ加工処理が施されている。なお1枚の面積が広いため、中央部の空きスペースにはNoctuaの「ふくろうロゴ」があしらわれている。
工作精度の高さはいかにもNoctuaブランド製品。放熱フィンのサイズは最大部で約95×70mmだった。なお中心部に空けられた丸穴は、ドライバー貫通用で、受熱ベースプレートに固定されたリテンションのネジの着脱ができる | |
ノコギリ形状のカットや凹みが設けられた放熱フィンデザイン | 放熱フィンの中央部には、リテンションのバネネジを固定するためのドライバー用ガイドが設けられている |
受熱ベースプレートは「NH-D9L」同様に腐食防止効果のある、ニッケルメッキ加工処理が施された銅製。CPU接触部のベースサイズは実測約38×40mm、厚さは最大部で実測約5mm(受熱プレート部のみ)となり、「NH-D9L」と共通のパーツが使用されているようだ。
CPU接触面のプレートサイズおよび厚さは「NH-D9L」と同様。ただしヒートパイプを挟む台座は異なるパーツが使用されている |
「NH-U9S」では、ニッケルメッキ加工処理されたφ6mmの銅製ヒートパイプが5本使用されている。ヒートシンクへの貫通は等間隔直線ではなく、内外ジグザグにレイアウト。1枚あたりの表面積が広い放熱フィンに、満遍なく熱が拡散できるように工夫されている。さらに注目すべきはヒートパイプが放熱フィンに貫通する位置だ。
貫通箇所を観察すると、ヒートシンクの中心ではなく、冷却ファン搭載側に集中。また受熱ベースプレートも同様、冷却ファン寄りにマウントされている事が分かる。これによりヒートシンク全体の搭載位置がずれ、隣接するメモリスロットへの干渉を回避しているワケだ。
ヒートパイプは「NH-D9L」より1本多い5本構成。貫通する放熱フィンの最上部を見ると、ジグザグにレイアウトされている事が分かる | |
ヒートパイプはヒートシンクのセンターではなく、冷却ファン搭載面寄りにレイアウト。受熱ベースプレート共にメモリソケットに干渉しない位置に固定されている |