エルミタ的一点突破 Vol.35
2015.01.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹(テストセッション)
CPU温度(室内温度17.4℃) |
ここからは「NH-U9S」の冷却性能について確認していくことにしよう。まずはCPUの温度チェックから。アイドル時の温度は、いずれも20℃前半、高負荷時でも最高74℃までしか上がらず、こちらも優秀。ちなみに「NH-D9L」との比較では、アイドル時がL.N.Aで、高負荷時がNormalでそれぞれ1℃高いものの、いずれも測定誤差といって差し支えないだろう。
冷却ファン回転数(室内温度17.4℃) |
全てのテストで「NH-D9L」よりも20~40rpm高い数値を計測しているが、「NF-A9」の回転数に±10%のマージンがあることから、個体差である可能性が高い。ちなみに回転数の挙動は「NH-D9L」とほぼ同じ。ここまでの結果を見る限り、「NH-D9L」と「NH-U9S」の冷却性能はほぼ同等と結論づけてよさそうだ。
騒音値(暗騒音30.1dBA) |
アイドル時は、NormalとL.N.Aが33dBA前後、Dualで34.2dBAと極静音動作を実現。高負荷時でも最大36.4dBAまでしか上がらず、静音性も良好だ。「NH-D9L」とはヒートシンク形状が異なるため、テスト中には風切音にも注意を払っていたが、違いを感じることはなかった。
高負荷状態30分経過時のポイント別温度計測結果 ※カッコ内は反対面 |
熱移動の様子が最も分かりやすいのが、トップフィンの温度。ヒートパイプから遠く、冷却ファンに近いファン側中央が最も低く、ヒートパイプに近づくに連れて上昇。またファンからの距離が遠いほど高くなっている。さらにファン裏面側を確認すると、熱源に近い位置から順に温度が低下しており、ヒートパイプを通して綺麗に熱が拡散していることがわかる。
強引な暴風による強制冷却ではなく、静音状態を保ちながら高冷却を実現してしまう点がNoctuaの真骨頂。その最たるモデルが 「NH-D9L」「NH-U9S」といえるだろう。冷却ファンを含め95mm四方に収めた比較的コンパクトなサイズに、冷却ファンのマウントポジション違いで2タイプを用意。異なるヒートシンクデザインによる「放熱面積の違い」を感じさせる事無く、ほぼ同様の冷却パフォーマンスを見事に発揮している。開発から製品化までじっくり時間を掛けるNoctuaらしい、完成度の高いCPUクーラーという印象を強く感じた。なお性格の似た両者は、総合評価も同スコアに収まった。外観の違いとは裏腹に、共通点だらけの結果となっている。
Noctua「NH-D9L」総合評価 | |
Noctua「NH-U9S」総合評価 | |